日本海を一望できる絶景ポイントご存知ですか?
温泉、展望台、色々ありますよね。
でも今回は違うんです。
トイレなんです。
今年の8月に50周年を迎える津軽岩木スカイライン。
69のヘアピンカーブを登り終えて、一息つきたいところにある岩木山8合目休憩所。
その休憩所には、岩木山を愛する男たちの願いが込められた日本海を一望できるトイレがあるのです。
津軽岩木スカイラインは青森県で初めての有料自動車道。
山麓の嶽地区から岩木山の8合目まで、全長9,8㎞のヘアピンカーブ。
冬場は積雪で通行止めになりますが、春には新緑を、夏には日本海に沈む夕日を、秋には紅葉を、季節によって違う表情も見ものです。
普段は車しか通行することができないスカイラインですが、近年は自動車の通行を一時的に閉鎖して、自転車でスカイラインを上る「チャレンジヒルクライム岩木山」や、徒歩で上る「津軽岩木スカイラインを歩いてみよう会」なども開催されています。
さて、文頭の津軽岩木スカイライン8合目のトイレは平成22年に新築工事されたもの。
以前のトイレは、昭和40年以来一度も改修されることが無かった昔ながらのくみ取り式トイレで、水洗化が進む中、岩木山8合目で初めてくみ取り式トイレを見る子も少なくありませんでした。
そんなある日、岩木山に遠足でやって来た小学生がトイレで泣き出してしまいました。
大きな穴に吸いこまれそうな気持ちになって怖くなってしまったのです。
岩木山を愛する男たちは思います。
「子どもたちが岩木山に来ても、トイレが怖くて嫌な思い出になってしまうかもしれない。このままではいけない。岩木山での思い出を楽しいものにしてほしい。」
水道が通っていない8合目で大量の水を使用するのは至難の業。
関係機関に働きかけ、水洗化にすべく新築工事が始まりました。
雨水などを貯水して循環させる方式を導入し、標高1250mでの水洗トイレを実現させます。
さらに男たちは、「トイレでの親子の光景」を思い浮かべていました。
「お父さんと息子、小便器の前で親子肩を並べて、日本海に沈む夕日を見ることができたら気分がいいだろうなぁ…。」
その日から、思い浮かべた光景を実現すべく休憩所の設計が始まります。
国からの補助を受けての新築工事で、トイレの配置一つにしても全て許可を得て建設しなければなりません。思うように許可がでない日々。それでも、より多くの人に岩木山を好きになってほしい。
何度も何度も協議を重ね、平成23年、ついにお父さんと息子が肩を並べて日本海を眺める光景を実現させることができました。
岩木山8合目に絶景ポイントの誕生です。
そんな思いでできたトイレからの眺めがこちら!
と、いいたいところですが、天気のいい日にスカイラインを上って、男子トイレで親子肩を並べて絶景をお楽しみくださいね。
女子トイレは、洗面台からちょっとだけ日本海を眺めることができます。
この景色の違い、男子の特権ですね。
(津軽岩木スカイラインに関するお問い合わせ先)
株式会社岩木スカイライン
青森県弘前市大字常盤野字黒森56-2
TEL:0172-83-2314 FAX:0172-83-2656
EMAIL:info@iwaki-skyline.jp
津軽岩木スカイラインHP:http://www.iwaki-skyline.jp/
(by:JKwiper)
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