我々日本人が白米を常食するようになったのは昭和の時代になってから。それまでは雑穀入りのご飯が主食でした。
また、飢饉や戦時中、戦後の食糧不足の時期などは、雑穀は白米の代用品として食べられていました。そのようなことから、雑穀に「まずい」「まずしい」といったイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
近年は、栄養バランスの良さが注目され、一際注目を浴びている雑穀。五戸町の山部商店では、約30種類もの雑穀が販売されています。
普段雑穀とはあまり縁のない生活をしているのもあり、改めて雑穀の種類の多さ、そして色彩の豊かさにびっくり!
特に「黒大豆」や「小豆」、味噌の原料として珍重される「半白大豆」などの豆類、美しいグラデーションを成しています。
また、雑穀米も独特な色彩。店主の山部さんによれば、菱刺の模様に似ているとよく言われるそうです。おお、確かに。
これらの雑穀は、味噌、醤油、豆腐、納豆などの原料はもちろんのこと、餅、そば、せんべいなどにも使われています。夏に気温が上がらず稲作が困難だった南部地方において、粉にしたり、練ったり、茹でたりしながら、少しでも美味しくいただくための人々の工夫が、地元の伝承料理として今でも根付いています。
「健康ブームもあり、最近は雑穀の売り上げが増えているんですよ」と笑顔で話してくださった山部さん。一方で、高齢のため、作付けを辞める農家も増えてきているとの少し寂しいお話もしてくださいました。長い間受け継がれてきた栽培技術が次世代に引き継がれていくことを願うばかりです。
奥州街道の宿場町として整備され、周辺経済の中心地として活躍してきた五戸町にあって、多種多様な雑穀が集まる山部商店。健康的な食生活を始めたいと思っている方や雑穀に興味のある方に是非足を運んでいただきたいお店です。自らも豆や大豆、あわやきびなどの雑穀を作付けしている雑穀先生の山部さんがお待ちしていますよ。
<問い合わせ先>
北のまほろば 雑穀屋 山部商店
住 所:青森県三戸郡五戸町字荒川14-1
電 話:0178-62-2760
営業時間:7:00~19:00
H P:http://www.yamaberice.com/
by りんごすたー
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