昭和50年に国の伝統的工芸品に指定された青森県の津軽塗。
漆を数十回塗り重ね、研磨仕上げを施す300年以上も変わることなく受け継がれてきた伝統技術で、底から発する奥行き、器にへばりついた力強さが特徴です。
この津軽塗をしっかり継承しつつ、特に若手職人の収益向上のシステムづくりを目的とした「津軽塗新ブランド創設プロジェクト」が設立されており、継続して展覧会などが開催されています。
津軽塗製品としてはお椀、お盆、箸などが一般的ですが、若手デザイナー・クリエイターの視点により、生活様式に合うおしゃれでかわいらしい様々な製品の商品化が検討されています。
9月26日~27日に、青森市のアウガで展示会が開催されましたので、その様子を紹介しましょう。
室内用タイル
こぎん刺しの他、豹柄やゼブラ柄等の動物柄、幾何学模様等、色彩が可愛らしいですね。
自分の部屋の壁にこのような模様があれば毎日が楽しくなりますね。
室内用タイルその2
渋めの色彩。よくみるとキラキラ光っていますが、金属粒子を使用して制作している七々子です。
おしゃれ。
室内用タイルその3
こちらは黒漆にもみ殻の炭粉を蒔き、研ぎ出して磨き仕上げする紋紗塗という技法。
津軽塗のネイルチップもおしゃれですね。
お祝い事など、おめでたい時にオススメだそうです。
その他にも、コップ、皿、スマホスピーカーなど、可愛らしい試作品がありました。
様々な津軽塗の作品を手がけている漆雫(うるしずく)の漆塗職人の北畠栄理子さんは、グラフィックデザイナーから提案のあったデザインをベースに、試作品を作成しています。
自らも技術を磨き、展示会などを開催しながら、将来はこれらの商品化を目指しているとのこと。
今回の展示会を見て、津軽塗製品のデザイン、開発に関し、多くの可能性を感じることができました。今後の伝統工芸の発展は、若手のデザイナーやクリエイターが鍵を握っているかも知れません。おしゃれでかわいらしい津軽塗の作品がたくさん商品化される日も近いですよ。
by りんごすたー
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