弘前市内にある津軽焼の陶房の一つ「津軽千代造窯」。
弘前市内の感性な住宅街の道を進んでいくと、どんどん道路が狭くなり突然異空間が!
目の前には畑、裏側には沼地を埋め立てた広大な窪地が広がっています。
そしてもの凄く雰囲気のある外観の「杜のギャラリー陽久庵(やきもの屋)」と書かれた木の看板。
こちらの陶房は、代表の小山陽久さんと、息子の学さんの2人が運営しています。
「津軽焼」は、もともと津軽藩四代藩主津軽信政公が平清水窯、大沢窯、下川原窯、悪戸窯を築きましたが大正9年に途絶えました。現在の津軽焼は、昭和11年に再興されたもので、天目釉(黒釉)やりんごの木灰を原料とするりんご釉などが、素朴な色合いを醸し出しています。
陽久さんが焼き物を始めたきっかけは、焼物のコレクションをしていた祖父にあたる千代造さんの影響で、陶房の名前も「千代造」おじいさんが由来。
高校の技術の授業で作った抹茶椀が思いのほか出来が良かったことで、ますます焼き物への思いが強まり、高校卒業後、趣味の自転車に乗りながら、東北にある陶房を巡ったそうです。
その中で、小山さんの感性に最も合っていた仙台にある「堤焼」の4代目に師事。
昭和57年に独立した後、徐々に規模を拡大していきました。
陶房にはギャラリーも併設されていて、古材を利用した趣のある建物は、大工である陽久さんのお兄さんが建てたもの。古材は、付き合いのあるお寺から譲り受けたそうです。
私が訪問した時は、展示会の最中だったので、作業スペースであるロクロの上にも作品が展示されていました。(言われるまで、ロクロだと気づきませんでした。)
焼き物に使用している土は、主に地元のもの。陶房の近くにある笹森山の白砂に交じっている黄鉄鉱は、焼いた際にゴマ模様になり、良い感じで雰囲気がでます。
作品はどれも質感がよく、デザイン性の高いものでした。
津軽千代造窯は、全国展開している有名ブランドや、地元のセレクトショップともコラボした商品を制作しているほか、年明け1月3日からの伊勢丹新宿店で開催される「47都道府県ものづくり」にも出店するそうなので、機会がありましたら是非足をお運びください。
by さっちゃん
津軽千代造窯 杜のギャラリー陽久庵
弘前市城南4-11-3
TEL 0172-32-8465 不定休
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。