昨日から、十和田市現代美術館において始まった新たな企画展に行ってきました。
本展は、北海道上川郡東川町が毎年夏に開催している国際写真フェスティバル「東川フォトフェスタ」の「東川賞コレクション」より、「地霊 ー 呼び覚まされしもの」というテーマで作品を選んで紹介しています。
「地霊」(ゲニウス・ロキ)とは、その土地に固有の守護精霊であり、写真家たちは風景や人々の暮らしを撮影するときに、その存在を意識し、あたかも彼らと呼び交わすようにしてシャッターを切ることがあるといわれています。そんな作品に現れる深い世界をご堪能いただきたいと思います。
そんな貴重なコレクションの中から、3人の写真家をご紹介したいと思います。
1人目は、小島一郎(こじま いちろう)
1924年、青森県生まれ。54年、父小島平八郎が創設した写真家グループ「北陽会」のメンバーとなり、本格的に写真を始める。厳寒の津軽や下北の風土を大胆な構図と独特の世界観を持つ。ベタ焼きに代わる、通称「小島のトランプ」と呼ばれる手札サイズの作品群も特徴的である。39歳の若さで急逝した青森を代表する写真家。
2人目は、志賀理江子(しが りえこ)
1980年、愛知県生まれ。十和田奥入瀬芸術祭2013にも参加。気鋭の写真家。
3人目は、荒木経惟(あらき のぶよし)
1940年、東京都うまれ。『センチメンタルな夜・冬の旅』は亡くなった妻、陽子を撮影したことで世間に衝撃を与えた。
この企画展のキュレーターを務めた人物は、飯沢耕太郎。
『「芸術写真」とその時代』、『写真に帰れ 光画の時代』、『都市の視線 日本の写真 1920~30年代』の3部作で、頭角を現わし、20世紀前半における写真研究者の第一人者と言われた人物。写真評論家であり、きのこ文学研究家でもある。
今回の企画展のテーマの一つが「生と死をつなぐもの」。
紹介した3人以外にも、「現実の世界」と「向こう側の世界」を往遷するような写真を取り続ける写真家たちを取り上げています。
中には、生と死の狭間を同時に観ているような錯覚に陥る写真もあり、一瞬自分はどちらの世界にいるのだろう?と迷ってしまいそうになります。
写真は生の世界と死者たちの世界とを結び付け、混ぜ合わせる装置なのかもしれない。
さあ、あなたもその目で確かめてみてください。
企画展関連イベントについては、こちらからご確認ください。↓↓↓
地霊 呼び覚まされしもの ~東川賞コレクションより~
会期 2016年1月30日(土)- 2016年月5月15日(日)
会場 十和田市現代美術館
開館時間 9:00-17:00(入場は閉館の30分前まで)
ただし、5月3日(火)-5月4日(水)は18:00まで延長開館。
閉館日 月曜日(月曜が祝日の場合はその翌日)ただし、4月25日、5月2日(月)は臨時開館。
観覧料 企画展+常設展セット券1000円。企画展の個別料金は一般600円。団体(20名以上)100引き。 高校生以下無料。
ゲストキュレーター 飯沢耕太郎
主催 十和田市現代美術館
協力 写真文化首都 北海道「写真の町」東川町
by トリッキー
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