10月も半ばとなり、東京も日が暮れるのが早くなりました。
青森県東京事務所の入り口にある展示スペースもすっかり秋仕様となり、りんご一色という雰囲気です。
さて、ここで問題です。
この中に一つだけ本物のりんごがありますが、どれでしょう?
正解は…
がぶりと齧れる、一番右の青りんご!
これが平成23年に品種登録された青森りんごの新品種「はつ恋ぐりん」です。
「はつ恋ぐりん」は商標名で、品種名は「あおり24」。
青森県産業技術センターりんご研究所が育成した品種で、オーストラリア原産の青りんご「グラニースミス」と「レイ8(東光×紅玉)」を交配して誕生しました。
グラニースミスは、きりっとした酸味がある青りんごで、欧米でよく食べられている品種の一つ。果肉も固いのでアップルパイの材料としてよく使用されています。最近では、日本国内でも栽培されるようになり、国産のグラニースミスを使用したアップルパイ専門店があるほど人気のあるりんごです。
しかし、このグラ二―スミスは、オーストラリア出身で暖かい気候を好み、熟すのが遅いという特徴があります。そのため、青森県のような寒冷地で栽培すると、完全に熟す前に冬が来てしまう恐れがありました。その点、はつ恋ぐりんは、収穫時期が10月下旬で紅玉と同時期のため、青森県でも栽培ができる青りんごなのです!
光沢のある鮮やかな緑色をしていて、青森県りんご協会が出版している書籍「青森県のりんご」では、「光り輝く北国の翡翠の玉」と表現されるほど!
味はというと、はつ恋ぐりんの名のとおり、初恋の甘くて酸っぱいイメージそのままで、グラニースミスのようなきりっとした酸味の中にも甘味と濃厚な味わいがあり、パリッとしていて歯触りがよく、生で食べると酸っぱい!だけど、その酸味が美味しい!というりんごです。
アップルパイやタルトタタンに調理してもその酸味は残っており、加熱して水分が飛ぶと濃厚な味わいが際立ってくるので、クッキングアップルとしても非常に優秀です。
はつ恋ぐりんは、国内育成品種で初めてクラブ制を導入し、生産と販売をコントロールしているため、見かける機会は少ないかもしれませんが、今年は11月上旬から紀ノ国屋で販売される予定となっています。
見かけた方はぜひ酸っぱい!美味しい!を味わってみてはいかがでしょうか。
by matsu
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。