津軽塗、津軽こぎん刺し、津軽金山焼・・・「津軽」と名のつく工芸品は聞いたことがあるけど、どんなものか分からない。という方も首都圏には多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は津軽地方の工芸品を東京に集め、皆様に「物語のある一品」に触れて、購入いただける展示会の紹介です。
津軽地方の工芸品が持つ「物語」
本州最北端に位置する青森県。県西部にあたる津軽地域は日本でも有数の豪雪地帯であり、年間の3分の1は雪とともに過ごす生活を強いられる地域です。
しかし「長い冬」はその厳しさ故に北国独自の暮らしと文化を育み、身近にある自然のものを活用したあけび蔓細工などの工芸品を生み出してきました。
一方で、津軽は江戸時代に「弘前藩」が置かれたことにより城下町を形成しており、藩の奨励、あるいは市井の人々の工夫により、津軽塗やこぎん刺しといった様々な工芸品が生み出されました。
こうした文化に育まれた北国・津軽の工芸品は、決して贅沢ではありませんが、素朴でありながらも、じっくり人の手をかけて生み出された「物語のある一品」揃いです。
津軽地方の工芸品が持つ魅力はなぜ伝わっていないのか
津軽塗のまめ皿
では、いいものが揃っている津軽地方の工芸品がなぜ首都圏であまり知られていないのでしょうか。
理由の一つに、工芸品を作っているのが主に個人の「職人」であることが挙げられます。職人の本分はやはり制作であり、先ほど書いたように一つ一つ、じっくり手をかけて作品を作りあげます。こうした状況で個々の職人さんが自分で首都圏に売り込み、販路を維持していこうとすると、最も大切な制作活動にかけられる時間が削られてしまうことになり、制作・宣伝のバランスを取るのは、実はとても難しいのです。
こうした理由により、一部の工芸品やイベント等での販売を除いて、県外で津軽地方の工芸品をご覧いただく機会は少なくなっていたのです。
津軽地方の工芸品が持つ魅力を多くの人に伝えたい
わにもっこ(森のあしあと)
下川原焼土人形(りんご売り)
このような「県外への流通が難しい」状況を解決する一つの方法として、弘前市の「イシオカ工芸」が、津軽の工芸品を広く取り扱う問屋(産地問屋)としての活動を始めています。首都圏の皆さんに津軽地方の「物語のある一品」を届けていくため、百貨店やセレクトショップに売り込んでいくことになるので、これまでご覧いただくのが難しかった工芸品も、今後皆様の目に触れる機会が増えていくと思います。
今回のスパイラルでの展示は、これから皆様にお届けしたい「津軽の手仕事」を先行してお手にとっていただける絶好のチャンスです!!津軽地方出身の方は郷愁に触れるために、そうでない首都圏の方も津軽の「物語」に触れるために是非足を運んでみてください。
by もんた
お問い合せ先 | |
---|---|
場所 | 有限会社イシオカ工芸 〒036-8052 青森県弘前市大字堅田2丁目7-5 イベント開催場所 ショウケース スパイラル1F/東京都港区南青山5-6-23 |
TEL | 0172-34-6222 |
FAX | 0172-34-6224 |
時間 | 3月4日(土)~6日(月) 11:00~20:00 |
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。