青森で機会があったら是非食べてほしいものの一つに「ミサオおばあちゃんの笹餅」があります。ただ、この笹餅に出会うのはかなり難しく、定期的に入荷するのは五所川原市金木町のスーパーストア金木タウンセンター店だけ。それも毎週火曜日と土曜日の2日間のみ。その上、午前中には売れ切れてしまうという人気ぶりです。
「ミサオおばあちゃんの笹餅」は、その人柄が伝わってくるような優しい味わいが魅力です。ただ、見た目はこそ普通の笹餅ですが、実は驚くほど手間暇がかけられた特別なものです。ミサオおばあちゃんの笹餅はすべて手作り。餡づくりから始まるすべての工程を、一人でコツコツと丁寧に行っています。原材料は地元の畑で獲れたものを使い、水は作業場の近くを掘った井戸水、笹の葉は近隣の山から自分で選んで採ってきたものを使うという徹底ぶりです。作り方もすべてが昔どおりというわけではなく、より美味しくするためにはどうしたらいいか試行錯誤し、本当に美味しいと思える現在の状態にまで仕上げています。
ミサオおばあちゃんは昭和2年生まれの満90歳。年齢をまったく感じさせないくらい元気で、今でも27kgもある米袋を軽々と持ち上げているし、自転車にのって商品を運んでいます。
そんなミサオおばあちゃんのバックボーンは子どもの頃の母親の教えです。小さい頃から母親の真似をしながら家事を手伝っていたミサオおばあちゃんは、6歳のころには自分の身の回りのことは一通り自分で出来るようになっていたそうです。
定年後に、仲間と一緒に老人ホームの慰問を行った時、自分が作ったあわ餅を食べて涙を流す人を見て、自分が作るものでも人を感動させることができるんだと感じ、ものづくりを続けていく決心をしたそうです。そして、お客さんの「食べたい」という気持ちに応え、「おいしい」と思ってもらうために日々作り続けています。
本当に美味しいです。
by yoshihito