野辺地町の「松浦食堂」さんが今日閉店します。

「松浦食堂」は明治24年創業、126年目となる老舗。
名物は「茶粥定食」。
交通の要衝だった野辺地町の商人文化「茶粥」を、今から15年ほど前に「松浦食堂」さんが復刻させました。
「茶粥定食」に使われるのは、カワラケツメイ。野辺地町には古くからカワラケツメイを乾燥させ「お茶」として飲む習慣があり、茶粥もカワラケツメイを使っていました。自然な甘さと素朴な風味で口当たりがよい茶粥でした。
松浦食堂は野辺地駅前にあったことから、地元の食堂としても愛されてきました。最近は「茶粥定食」のお店として知られるようになりましたが、定食についてくる郷土料理、普通の食堂メニューもとても素敵なお店でした。野辺地町ということもあってホタテ料理もそろっていて、ホタテ丼も看板メニューの一つでした。

4月26日、松浦食堂三代目、松浦敬祐さんとリツさんにお話を聞くことができました。
「一番の思い出はいろんな人に出会えたこと。蛭子能収さんと太川陽介さんがフラリと店のドアを開けときのことは今でも忘れられない。」と笑顔で教えてくれました。一方で「一番つらかったことは?」という質問には、昔は朝6時から夜8時まで立ちっぱなしで仕事をしていたくらいお客さんが途切れなかったほど毎日が忙しく、何かがつらいということはなかったそうです。松浦さんの真面目さを感じました。
最後に、店の看板メニューのホタテ丼とカツ丼を注文しました。どちらも松浦さんの人柄のようにやさしい味付けで、だからといって味付けが薄いわけではなく、食べ応えもしっかりあって、近所にあったら通っていただろうと思える料理でした。心から「食堂」の料理っていいなぁと思えるものでした。


「松浦食堂」さんは今日でお店を閉めることになりました。野辺地町に行ったときに安心して、気軽に入れるお店がなくなるのは寂しいことです。
126年間、お疲れ様でした。

by まるごとあおもりブログスタッフ一同
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