みなさん、津軽三味線と言えばどんなイメージをお持ちですか?
我々青森県民は、ねぶた祭りに胸がじゃわめく(わくわくぞくぞくするという意味)ように、津軽三味線を聞くたびに、そのダイナミックで力強い躍動感に胸がじゃわめきます。
さて、そんな津軽三味線は、幕末頃に青森県津軽地方で誕生したと言われています。元々は民謡の伴奏として使われていましたが、昭和40年代の民謡ブームで一世を風靡、現在の独奏主体の演奏スタイルが確立されました。
J-POPやロック、R&Bなどと比べるとマイナーな津軽三味線ですが、青森県民であれば誰もが“じゃわめく”伝統的な音楽なんです。
ということで、本日は、将来の津軽三味線界を背負うであろう新星をご紹介します!
青森市内の小学校に通う、柳谷昂太郎(やなぎやこうたろう)くん。9歳の元気な男の子で、学年で一番足が速かったりロードバイクを乗り回したりするスポーツマンなんだそう。
ところで、初めて昂太郎くんの演奏を見たのは、さかのぼること1ヶ月前。8月4日~6日にA-FACTORYで行われた、アートディレクター吉水卓さんによるNuRIEライブイベントの打ち上げ会場でした。
NuRIEのようす
力強い音色を奏でる昂太郎くん
えんじ色の衣装を身にまとい颯爽と登場。見事なバチさばきで津軽三味線を奏でる昂太郎くんに、会場だけではなく沿道の跳人たちも騒然!興奮して親御さんを探し、その場で取材を申し込み。無事ご快諾いただきまして、先日月一回のペースで通うお稽古会を見学してきました。
お師匠さんは、ねぶたの家ワ・ラッセで「津軽笑っせ劇場(17年3月で終了)」やねぶたの國「たか久」で生演奏を行う“三味線の鬼才”山上進(やまがみすすむ)先生です。
この日もいつものように調弦からはじまり、さっそくお稽古開始。さっきまであどけない笑顔を見せていた昂太郎くんも、お稽古が始まると表情が一変。先生の言葉を聞き逃さないよう必死に耳を傾ける姿に、いきなりプロ意識を見せつけられます。
入念に調弦
力強い弦の音が部屋に響きます
1時間ほどお稽古をし、しばし休憩。昂太郎くんがお母さんに甘えきっているのを横目に、山上先生とお父さんにお話しを聞きました。
昂太郎くんが山上先生ところに通い始めたのは約2年前なんだそう。その時は三味線を始めてわずか1年にも関わらず、すでにじょんがら節の「べべべんべべべん」と言うのができたんだそうです。しかも、先生の音を聞いて自分で弾き方を探せる音感が備わっていたそうで、すごい子が来たなあと思ったそうです。
30分ほど休憩したところで先生と昂太郎くんのセッションがはじまりました。昂太郎くんは先生を見ながら必死で音やリズムを探します。そして、持ち前の音感ですぐに弾き方を見つけ、躍動感のある力強い音を奏でます。
以上で今日のお稽古も無事終了です。津軽三味線を離れると、ロードバイクに乗ったり可愛い○○○ちゃんが好きだったりと、いたって普通の9歳の男の子。
近いうちにデビューするであろう新星との衝撃の出会い。昂太郎くんの躍動感や力強さに、青森県の明るい未来が見えた気がした2017年の夏。
暑くて短い夏を終え季節の移ろいを感じる今日この頃ですが、元気にいこうぜ青森県!
昂太郎くんの活躍にこうご期待!
by めぐみるく
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