三沢市内では、現在、本県ゆかりの詩人・劇作家の寺山修司の世界観をテーマとした周遊型謎解きゲーム「書を捨てよ 紐を解こう」を体験することができます。早速、謎解きをしてみました。
ゲームブックを三沢駅の市内パンフレット設置ラックでゲット。ゲームブックに記載されたQRコードから、ゲーム専用モバイルサイトにアクセスします。ゲームブックは、問題集&地図、モバイルサイトは解答用紙みたいなイメージです。

ゲームは、第一幕の三沢駅エリア、第二幕の市街地エリア、第三幕の寺山修司記念館エリアの3か所を周遊する形で進めていきます。
第一幕と二幕は、どちらからでも解くことができますが、まずは、第一幕の三沢駅エリアから解いていくことにしました。
ゲームブックの指示に従い、最初の謎のあるポイントへ。「う~ん、何だろう…あ、わかった!解けた!」モバイルサイトへ答えを入力すると、「正解だ」とメッセージが返ってきました。同時に寺山修司の名言や、他の謎のヒントも流れてきます。なんだかうれしい!
駅前エリアは、青森市の空襲直後に身を寄せた伯父の家跡や、寺山修司が同級生達と相撲やかくれんぼをして遊んだといわれている不動神社、寺山が通い、後年校歌を作詞した旧・古間木小学校跡地があります。謎を解きながら、寺山の少年時代ゆかりの地をたどることができます。こちらは不動神社。
なんとか、駅前エリアの謎をクリアできました。次は、市街地・商店街エリアへ向かいます。
市街地・商店街エリアは、寺山修司記念館が所有する展示物・装飾品等を商店街の通りに展示する「テラヤマ ロード」という取組が行われています。
また、寺山の食に関する逸話と三沢の地元食材を組み合わせたオリジナルメニューを提供する取組「寺山食堂」の参加店が集積しているエリアでもあります。
市街地エリアの謎も無事にオールクリア。気のせいか、だいぶ頭が柔らかくなった気がします。そしてお腹もすいてきました。
せっかくなので、寺山食堂の一つ、街の社員食堂さんで、「寺山定食」をいただきました。こちらが「寺山定食」(餃子とすいとんのセット)です。
餃子は寺山が初めて状況した時に、上野駅の食堂で食べて以来の大好物だそう。こちらのお店の餃子は、パイカ入りです。パイカとは、豚バラ肉の周辺にある軟骨のこと。三沢市内ではパイカ料理を出すお店も多いそうです。
すいとんは、三沢産のゴボウとナガイモ入り。あっさりしたスープにモチモチ、シャキシャキの食感が美味しいです。温まる~!
ちなみに、寺山にちなんだメニューは、今回いただいた「寺山定食」以外にも、お盆に盛ったカレーライスとコーラの「寺山盆カレーセット」や、パスタを使った「天井桟敷ラーメン」、寺山が競馬に行く時、験担ぎに好んで食べたというカツ丼とそばの「寺山セット」、小川原湖産しじみを使った「寺山修司ラーメン」があり、市内9店舗で提供されているそうです。
さて、いよいよ、第三幕の寺山修司記念館エリアへ。謎が急にレベルアップして、ラスボス感が漂っています。
こちらは寺山修司記念館。
三幕の謎解きの途中には、冬の小田内沼を見下ろせる絶景ポイントもありました。
そして、寺山修司記念館周辺を歩き周ること数十分…。「あれ、もしかして、こういうこと!?」急にひらめいて、ついに謎を全部解くことができました。この達成感と充実感。これがゲームクリアの醍醐味かもしれません。
晴れ晴れとした気持ちで、寺山修司記念館を見学しました。展示の中で私が気になったのは、寺山修司の詩歌等が掲載された最近発行された教科書を集めたコーナーです。
1冊を手にとり、パラパラとページをめくると、寺山の
大いなる欅(けやき)にわれは質問す空のもつとも青からむ場所
という歌が飛び込んできました。色や情景が浮かんでくる、いい短歌だなあ…。
記念館では、ポストカードや書籍、紅茶、Tシャツ等が販売されています。宇野亞喜良さんのサイン入り2017イヤープレートに激しく気を惹かれつつ、私が自分へのお土産で買ったのは、パッケージとネーミングが素敵な「家出のするめ」と『寺山修司青春歌集』(角川文庫)です。
結論:書を捨てて自分が何者か紐を解いてみたら、やっぱり食と本に戻ってきた。
寺山修司ゆかりの地や三沢市の名物・特産品を知りながら、まち歩きもできるこの周遊イベント、好きなペースで周ることができるので、一人でも友達とでも家族とでも楽しめそうです。
「書を捨てよ 紐を解こう」は、参加料無料で、2018年2月28日まで開催されています。ゲームブックの設置場所等の詳細は、下記の寺山修司特設サイトをご覧ください。
(チビスケ)
場所 | 青森県三沢市内 |
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料金 | 無料 |
Webサイト | 周遊型謎とき物語「書を捨てよ 紐を解こう」公式サイト |