今年の青森は3月21日に積雪がゼロになりました。概ね例年どおりのようですが、3月は気温が高めだったので、感覚としては2週間ほど早く春が訪れた気がします。

4月1日に開通した「八甲田ゴールドライン」
そんな青森で、春の訪れを教えてくれる食材と言えば、なんといっても「ふきのとう」。日当たりのいい林や川の堤防、田んぼのあぜ道などで雪解けと同時に蕾を出し、日光を浴びてすくすく育つ景色は、特に東北地方ではよく見かけますよね。

さて、「ふきのとう」と言えば、一般的には茎を思い浮かべると思いますが、春先に食べるのは蕾の部分。蕾が開けば苦味が強くなるので、蕾のうちに収穫し、定番の「天ぷら」や「ばっけ味噌(東北地方ではふきのとうを“ばっけ”と呼びます)」として春の食卓を彩ります。
蕾を求めて山麓へ
ふきのとうは市街地の公園などでもたまに見かけるのですが、最近気温が高いせいか既に蕾が開いて食べられそうにありません。そこで、天気もいいのでサイクリングがてら八甲田山の麓に行って探してみました。

市街地から10キロほど離れた山麓の川辺
さすがに山麓ではまだ蕾の状態で残っていて、枯葉の下から可愛らしい蕾が顔をのぞかせていました。

埋まった状態の蕾に近づいてみると小さなキャベツのようなフォルムで、なんだかほっこりした気持ちになります。

そんな可愛らしい蕾を自分が食べる分だけ収穫。早速自宅に帰って調理しました。
下処理は手を抜かずに
まずはアク抜き。独特の苦みが風味でもあるのですが、あまりに苦いと口の中にえぐみだけが残るので、ふきのとうを食べる時は下処理が重要になります。
スーパーで売っている栽培されたふきのとうに比べ、自生しているものは苦味が強いので、熱湯に重層をひとつまみ入れて2~3分ほど茹でます。
そして、茹でた後はすぐに冷水につけるのがポイント。お湯からあげるとすぐに茶色に変色してしまうので、あらかじめ冷水を用意しておくことをおすすめします。

油断するとこうなります(味は変わりません)
たまに水を交換しながら2~3時間ほど冷水につけます。
苦味が苦手な人は、半日くらいつけておいてください。
ぐるぐる回して野菜の水を切るあれを使ってしっかりと水気を切ります。さらにキッチンペーパーで軽く拭いて下処理完了です。
春の風味に乾杯
まずは、東北地方で「ばっけ味噌」と呼ばれる、ふきのとうの蕾と味噌の和え物を作ろうと思ったのですが、下処理に時間がかかったので、地味に手間がかかるばっけ味噌は諦めて、酢味噌和えにしました。

酢味噌の味付けは、個人的にですが、ばっけ味噌同様に甘めに仕上げたほうがふきのとうの風味を受け止めてくれるような気がします。
みなさんも自分の好みにあわせて甘さを調整してみてください。
次は、定番の天ぷら。衣は、薄力小麦粉に少し片栗粉を混ぜるとカリッと仕上がります。ちなみに、卵がないときはマヨネーズで代用できます。


薄く衣をつけて、180度の油で3分ほど揚げれば出来上がり。お塩とめんつゆでいただきます。

ふきのとうにあわせるお酒は、キレのある辛めの日本酒や米焼酎がおすすめ。
この日は、知人にいただいたフジツボと岐阜県の地酒と一緒においしくいただきました。


春になるとたくさんの山菜が芽生えはじめます。
みなさん、今週末は山に出かけてみませんか?
by めぐみるく