青森で生活していると、日常の至る所に青森のクラフトが溢れています。
当たり前のように、津軽塗の箸やお椀が食卓にあったり、こぎん刺しのブックカバーを愛用していたり、お風呂にはヒバの湯玉が浮いていたり。
伝統的なものから新しく誕生したものまで、様々なシーンに、様々なクラフトが溶け込んでいます。
ところが、県外に出ると、青森のクラフトについて、聞いたことはあるけどどんなものか知らない、そもそも聞いたことがないという方も、まだまだ沢山いらっしゃいます。
確かに全国を見渡せば、誰もが知るようなクラフトもありますが、「青森のクラフトはそれらに比べて大幅に勝るとも、少しも劣らない!」と私は思っています。
実際に、青森とは所縁がないものの、訪れた際に気に入った「こぎん刺し」の名刺入れを愛用している知人もいます。
そう、実際に良さを知ってもらえれば、気に入っていただけるはずなんです!
そこで、首都圏・仙台周辺にお住いの方に朗報です!!
!「はじめましてのあおもりクラフト」開催!
青森の手しごとが生んだクラフトを、見て、触って、さらには購入できるというイベントが東京と仙台で開催されます。
「はじめましてのあおもりクラフト」チラシのダウンロードはこちらからどうぞ!
今回のイベントでは、青森県内で伝統を守りながら新たなデザイン等にも挑戦している11者から、計31点の作品が出展されます。
青森のクラフト全てではなく、作品も一部のみではありますが、青森の手しごとの一端に触れ、その良さを十二分に感じていただける作品を厳選しております。
♡作り手の方々の想い♡
出展される方にお話を伺う機会がありましたので、作り手の方々が作品にかける想いをご紹介します。
津軽塗(津軽うるおい漆・津軽モダン)
―伝統を守りつつ、モダンなデザインの表現ができる。それがほかの塗物にはない津軽塗の魅力なんです。
とは、イシオカ工芸代表の石岡健一さん。
―津軽塗は変り塗と研ぎ出しを何度も繰り返すことによって様々な模様を自由に表現できるんです。
―今回出展する「つがる豆皿」も様々なデザインがありますので、料理の器にしてもいいですし、アクセサリーなどの受け皿としてもいい、使い方も自由なんです。
伝統と自由、一見相反する言葉に見えますが、それが一つの器で表現されるなんて、素敵なことですね。
こちらがつがる豆皿。確かに日常の様々なシーンに溶け込みそうですね。
こぎん刺し(Aomori色こぎん)
―こぎん刺しは青森県では小学校や中学校の家庭科で習います。それほど簡単なもので、誰でも取り組めるんです。
始める際のハードルが低いと語るのは、虹色工房1chiの菅原美佳さん。元々は紺色の麻布に白い木綿の糸で刺繍を施すのが一般的なこぎん刺しですが、伝統的な「もどこ(こぎん図案)」を残しつつ、カラフルに染めた糸によるこぎん刺しで、さらに入口を広げようとしています。
―SNSにアップした糸をカワイイ!と言っていただき、そこからこぎん刺しに興味を持ってもらうことも多いんです。手を動かすのは脳にも良いですし、老若男女もっと多くの方に広めたいですね。
今回は、そんなカラフルな糸のこぎん刺しとヒバを組み合わせて作ったブローチやヘアゴムなどを出展。女子ウケ必至です!
虹色工房1chiには、青森特産のカシスなど天然素材で染めたカラフルな糸がたくさんあります。優しい色合いで和みますね。
津軽焼
津軽藩四代藩主・津軽信政が興した津軽焼を手掛けるのは、県の伝統工芸士にも指定されている、津軽千代造窯の小山陽久さん。
―地元、津軽の土を自分で採ってきて材料とするんです。釉薬(ゆうやく)も地元の砂や藁灰などを使うんですよ。津軽焼は青みがかった白と黒の独特な色合い、「なまこ釉」が特徴です。
―うちの作品は、しっかりと焼き上げているので水分をほぼ含まないんです。なので電子レンジや食洗器でも大丈夫ですよ。
なんと!?伝統工芸というと繊細なイメージがありますが、現代の生活にもマッチするんですね。
今回は、その「なまこ釉」の5寸鉢のほか、生姜擦り、花入を出展。
地元の土を丹念に練り上げる小山さん。お写真だけで職人のオーラが伝わってきます。
この他の出展者の方々も、熱い想いを持って制作に勤しんでおり、今回のイベントには厳選した作品を出展する予定です。
❖他の出展者/クラフト❖
木村木品製作所/青森ヒバ・リンゴ製品
りんごの木や青森ヒバなど、青森が誇る木を材料に、子供のおもちゃから大人のアクセサリーなど、木のぬくもり溢れる多種多様な作品を制作。
さきおりCHICKA/南部裂織
古い布を裂いては織るという南部裂織に、異素材や草木染を取り入れ、独創的でポップな作品を制作。普段使いにぴったりなアイテムです。
草邑KUSAMURA/下川原焼土人形
津軽で受け継がれてきた工芸品を現代の日常にもなじむよう職人とともに考えてプロデュース。「七色鳩笛」は日本古来の七色に染め上げた新商品。
十和田きみがらスリッパ生産組合/きみがらスリッパ
馬文化の残る青森県十和田市で、かつて飼料用として育てられていたデントコーンの皮を材料に、手作業でスリッパを制作。最近では某大手アパレルブランドでの取り扱いも。
西谷文子/こぎん刺し
日本現代工芸美術展入選。りんごをモチーフにしたカラフルなこぎん刺しなど、手掛ける作品は新こぎんとも呼ばれています。
ブナコ株式会社/BUNACO
テープ状に加工したブナを、職人が1点1点手作業で成形します。その用途は器だけにとどまらず、ランプやスピーカーなどにも取り入れられています。
弘前こぎん研究所/こぎん刺し
途絶えかけていたこぎん刺しを地場産業として復活させた(財)木村産業研究所が前身。伝統的な素材や技法を守り、美しいこぎん細工を制作。
北洋硝子株式会社/津軽びいどろ
漁業用の浮玉製造から始まった「津軽びいどろ」。青森の四季折々の自然をイメージしたものなどのハンドメイドガラスを制作。色とりどりのガラス製品は、見ているだけで幸せな気持ちになります。
是非、現地でご覧くださいね!
by の~ぶる
場所 | 【東京会場】 H.I.S.旅と本と珈琲と Omotesando 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-3-3バルビゾン7番館 【仙台会場】 東北スタンダードマーケット 〒980-0021 宮城県仙台市青葉区3-7-5仙台パルコ2・5階 |
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TEL | 017-734-9375(主催者:青森県商工動労部地域産業課直通) |
時間 | 【東京会場】 2018年11月16日(金)~25日(日) 11:00~19:00(一部変更の場合あり) 【仙台会場】 2018年11月29日(木)~12月12日(水) 10:00~21:00 |
料金 | 入場無料(東京会場・仙台会場) |
Webサイト | Facebookページ |
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