青森県野辺地町にある青い森鉄道野辺地駅。この駅には昔から多くの人に愛され続けてきた郷土の味とも言うべき駅弁「とりめし」があります。
このたび、「とりめし」を製造してきた「ウェルネス伯養軒青森支店」が営業を休止することから、今年9月いっぱいで販売を終了することとなりました。
この野辺地駅で、ずっと愛され続けてきた「味」を、皆さんにご紹介します。
○販売以来変わらぬ味「とりめし」
野辺地駅名物のとりめしは、青い森鉄道野辺地駅(野辺地町)の名物駅弁で60年以上の歴史を持った昔ながらの駅弁。ひし形の容器が特徴的で、炊き込みご飯の上に、鶏そぼろや卵そぼろ、鶏肉などが乗っている、昔から東北本線の鉄道客や地元の住民に愛された郷土の味とも言える弁当です。


その歴史は古く、昭和27年にまだ物資が豊富ではなかった時代に、仕入れがしやすく比較的リーズナブルな鶏肉を使ったお弁当を作ろうとしたことが誕生のきっかけといわれています。
諸説ありますが、野辺地駅での駅弁として販売することを前提としていた為、シンプルに“野辺地のとりめし”と名付けられたと言われています。

所蔵先:野辺地町立歴史民俗資料館

所蔵先:野辺地町立歴史民俗資料館
そんな長い歴史を持つとりめしの味は誕生以来変わっていません。
今現在は書かれたレシピが存在しているそうですが、以前は口頭でのみレシピが長らく伝えられてきたといいます。そのため、以前は製造の担当者が変わる度、3ヶ月ほど味がなじむのに時間がかかったといわれています。
その作り方は、大鍋に鶏肉と県産の醤油、ザラメをいれて約30分程度炊いた後、その際に出る煮汁を使って茶飯を作っているそうです。また、鶏肉は熱した後冷ますことで味を染み込ませる事でしっかりとした味になるそうです。醤油等についても昔から同じものを使用しているので、まさしく昭和27年より変わらない味といえるのではないでしょうか。
昔は駅弁を常温で食べることがほとんど。そのため常温でも美味しく食べられるよう昔ながらの工夫がされています。
実際に食べてみると、鶏そぼろや鶏肉のしょっぱさの中に感じる甘い味付け。そして鶏肉の煮汁を十分に吸った茶飯の旨みがクセになり、どこか懐かしさを感じます。


そのどこか懐かしさを感じる味には多くのファンが。そのファンは50歳から70歳あたりが多く、懐かしんで購入する方も多いと聞きます。
また、販売開始以来根強いファンが多く、これだけを購入するために野辺地駅までこられる方もおり、長らく愛されてきたことがよく分かります。
最近は駅弁ファンを中心として、20代の若いファンも増えてきているそうで、世代を超えて愛される様はまさに「郷土の味」といえるのではないでしょうか。
さらに、駅弁ファンの間で東北を代表する全国区のとりめしと称されることもあるなど、野辺地駅名物として多くの観光客に愛されてきたと感じます。
ちなみにとりめしが1日で作られる個数は多い日で500個程度。1時間で200個程作られ、秒単位では一つ作るのにおおよそ30秒ほど。熟練の流れ作業で次々と製造していきます。



もちろん夏祭り期間中に買われる方が多いそうですが、他にも盆期間中に買われる方も多いとの事です。帰省で青森県に帰ってきた人たちが、故郷の味を懐かしんで買っているのかもしれませんね。
また、野辺地町にお住まいの方にも地元ファンの中には、お盆等の親戚等の集まりの際にちらし寿司の代用品のような雰囲気で注文される方もいるそうです。特に、大人数用に寿司桶で提供することもあり、寿司桶で提供するとりめしを「とり桶(とりおけ)」と言い、昔からのお客さんが今でも毎年注文されるそうです。


○最後に一食いかがでしょうか?「野辺地駅名物とりめし」
いかがでしょうか。地元の方々から観光客まで幅広く愛されてきた「とりめし」。
今後食べることができなくなると思うと、なんだか一口一口が名残惜しく感じます。
ウェルネス青森支店の中村支店長に、今後のとりめしについてお話を聞いたところ、今後イベント等の折に再販となるか含め検討中との事。何らかの機会にもう一度食べることができたら嬉しいですね。
野辺地駅のとりめし。食べるとどこかノスタルジックな感覚になる駅弁を味わえるのは今だけです。
最後に一食いかがでしょうか?
by ひらぱー
ウェルネス伯養軒 青森支店 | |
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場所 | 〒030-0803 青森県青森市安方1丁目2−13 |
TEL | 017-723-1894 |
料金 | とりめし 800円 とり桶(5人前) 4,000円 |
Webサイト | ウェルネス伯養軒 |
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。