はじめまして、バムセです。みなさん、どうぞよろしくお願いします!初投稿では、平内町でドイツのホワイトアスパラガスを作っている、ユニークなご住職を紹介させて頂きたいと思います!
「住職と ご縁があって シュパーゲル」
あれは5年ほど前の6月のこと。バムセの元へ、採れたてのホワイトアスパラガスが届きました。送ってくれた知人(自称「食の研究家」)より「平内町の寺の住職が、ドイツ苗シュパーゲル(ドイツ語でホワイトアスパラガス)から育てた本物ですよ!」と聞き、バムセびっくり、目が点に。
料理上手な夫が嬉々として、さっそく台所に立ちました。ピーラーでシュルシュルと皮をむき始めただけで、甘美な匂いが漂いうっとり。ほどよく茹でて、シンプルに自家製マヨネーズをちょっぴりつけてむしゃむしゃと。それはもう、筆舌に尽くしがたい、感動的な美味しさでしたよ!口に入れた途端、ヨーロッパにワープしてしまいました。そんなわけで、「まるごと青森」初の題材を選ぶにあたり、バムセに迷いはありませんでした。さぁ、一緒にシュパーゲルのご住職に会いに行きましょう!
「住職の 謎が解けたぜ 泉流寺」
念願叶ってお会いできたのは、泉流寺(真宗大谷派)十代目ご住職の無井純一さん。50歳で世襲するまでは、小学校の教師として、特別支援教育に携わっていらっしゃいました。当時、日本の特別支援教育教材に限界を感じた無井さんが目をつけたのが、特殊教育の先進国ドイツの玩具。それをきっかけに、ドイツについて広く学び、実際にドイツへ何度も足を運んでいるうちに、ドイツという国にすっかり魅了されてしまったそうなのです。
十数年前には、敷地内に教室と住居を備えた小さな学校を建て、日本語を学びたいというドイツ人の青年たちを受け入れました。せっかく平内町へ来てくれたのだからと、地元の子供たちに英語とドイツ語を教えてもらうようになり、そのうちにドイツ料理教室も始まったそうです。
勘の良い読者の方は、もうピンと来たことでしょう。そうです、無井さんは、ドイツ料理教室で使うホワイトアスパラガスや、その他の野菜を「手に入らないならば、自分で作ってしまおう!」と考えて、すぐに実行なさったわけなのです。「いったいなんで住職がドイツのホワイトアスパラを?」という長年の謎が、やっと解けました。
「住職が 貫き通す こだわりは」
ホワイトアスパラガスを育てるにあたって、無井さんのこだわりは次の3点だそうです。
○有機栽培に徹し、肥料は全国有数のホタテ産地でもある平内町のホタテ貝を原料にした「貝石灰」と、主に「もみ殻堆肥」「牛糞堆肥」「鶏糞堆肥」を使用する。
○アスパラ栽培農家のドイツ人親子の全面的な協力のもと、ドイツから直送された優良な苗を植え、栽培・収穫する。
○自然栽培のため、年間に収穫できるのは一か月だけ。朝採りのみずみずさをそのままお届けするため、その日のうちに発送するよう努める。
それゆえの本物の味わい。無井さんは多くを語りませんでしたが、今に至るまでは、さまざまなご苦労があったようです。いまでも栽培法をいろいろと工夫して前進し続けるご住職の努力には、敬服してしまいます。
農作業は重労働です。有機栽培にこだわっているため、特に雑草取りが大変だそうです。そのため、ドイツ野菜作りを手伝ってくれる仲間を募集中だそうですよ。来年の収穫を楽しみに、農業にご興味のあるみなさん、いかがでしょうか。
「住職は ドイツかぶれと 笑うけど」
3年ほど前、ご住職はドイツのリューデスハイムの小高い丘にある、聖ヒルデガルト修道院を訪れました。その修道院を建てた、薬草学の祖とされるビルデガルト・フォン・ビンゲンの影響を受け「スペルト小麦」の種を持ち帰り、育て始めたそう。近年注目を集めているこの小麦は、グルテンレスの古代穀物。この小麦粉を使ったパンを食べるのが楽しみだそうです。
「ほら、今年も芽を出したよ!」
日常生活でも、お気に入りの珈琲やワインをドイツから直輸入してしまうご住職。「ただのドイツかぶれですよ!」と笑っていらっしゃいましたが、いえいえ、そんな次元ではありません。
「住職も 食べてほしいな シェフの味」
さて最後に、無井住職が丹精こめて育てたホワイトアスパラガスを使った、青森県のシェフたちによる料理をご紹介しましょう。(シェフのみなさん、お忙しい中、写真提供にご協力頂きありがとうございました!)
Point rouge(ポワンルージュ)猪股誠治シェフ
「ホワイトアスパラプレート」
「ホワイトアスパラのポシェ、温玉と生ハム添え」ワインバー Point rouge(ポワン・ルージュ)
弘前市大字新鍛冶町23
TEL 0172-35-3564
origo(オリゴ)豊川智シェフ
「ホワイトアスパラガスのヴィシソワーズ
エビとカニのコンソメジュレのパリソワール仕立て」
「海峡サーモンのミ・キュイ
八朔ヴィネグレットと生のホワイトアスパラガスのサラダ仕立て」
フランス料理・ワインバー・西洋料理店
origo(オリゴ)
八戸市鷹匠小路4-8
TEL 0178-44-6633
ポミエ 桜田康孝シェフ
「お魚料理でアサリと白ワイン煮」
「県産牛と一緒に焼いて」フランス料理 ポミエ
青森市堤町2丁目3-15
TEL 017-735-7057
あぁ、どれもこれも美味しそう!もうよだれが止まりません。来年の収穫時期には、無井住職の特別なホワイトアスパラガスを、また青森県で味わうことができますように。みなさんも是非お楽しみに!
By バムセ
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