はい、今回も完コピシリーズです。
今年は本当に寒いですね!この寒さを逆手に何かできないかと思っていたら、どうも酸ヶ湯温泉では寒さを利用して毎年凍み豆腐づくりをしていると聞きました。
酸ヶ湯温泉での凍み豆腐づくりとは
八甲田山中にある酸ヶ湯温泉では、一年で最も寒いといわれる「大寒」の日に、「凍み豆腐づくり」が恒例行事として行われています。
2020年の様子
今年用意されたのは木綿豆腐およそ800丁。マイナス10度以下の厳しい環境の中で自然凍結させることで味が染み込みやすく、すき焼きや鍋に適しているとのことです。出来上がった凍み豆腐は箱詰めされて、2021年は2月6日(土)に発売開始されました。1丁300円(税込)、この時期だけの季節限定商品です。
買えるのは、酸ヶ湯温泉の売店とネットショッピング、そして青森市内の「ヤマイシ食専館」だけとのことです。
酸ヶ湯凍み豆腐を購入!
早速、ヤマイシ食専館で購入してみました。冷凍コーナーにありました。
店長さんによると、初回入荷分50個は、2月6日の発売と同時に即日完売の盛況ぶりで、急遽追加入荷したそうです。毎年楽しみにしているコアなファンも多数いて、入荷したら教えて欲しいという方も。一人で5個も10個も買われる方もいるそうです。
持ち帰り、箱から出すと、豆腐が美しく、あめ色に輝く琥珀のようです。カチカチに凍っています。
自家製にチャレンジ!!
この凍み豆腐についてニュース動画や関係者の話を総合すると、
・酸ヶ湯温泉で使われている豆腐は「タイシ 北の大豆・木綿 2コパック入り」
・2コパックのフィルムの両端をナイフで切り水を抜き、真ん中で折り曲げてワイヤーにつるす
・一晩寒風にさらした後、取り込んで冷凍保存。パックして出荷
これならもしかして自分でも作れるんじゃないかと、無謀ながらチャレンジしたいと思いました。この寒波の中、楽しみを増やしたいし・・・。
そして、待望の寒波が2月8日にやってきました。青森市内の気温はマイナス6度、まずまずの寒波です。
ちなみに、今年の大寒(1月20日)の酸ヶ湯の気温は、日中はマイナス10度を下回っており、さすが酸ヶ湯!といった感じです。
さて、豆腐は、酸ヶ湯と同じものが欲しかったのですが、用意したのはタイシ製のセブンイレブンブランドの木綿豆腐。早速取り掛かります。
フィルムの両端(右であれば右のみで、中心側は残す)を切って
紐でつるして
凍らせて
こんな感じになりました。
見事に凍っています。そしてあめ色。
ちなみに、私が今回作ったのは、
・一晩だけ寒風にさらして朝に取り込んだもの(一夜干し)
・引き続きそのまま寒風に放置して、夕方取り込んだもの(一昼夜干し)
の2種類です。
解凍してみると・・・
解凍は、酸ヶ湯凍み豆腐の説明書によると、お湯で解凍するとのことでしたので、やってみました。
左:一夜干し、中央下:一昼夜干し、右:酸ヶ湯豆腐
解凍後、上から軽く押して水を抜くとこんな優しい感じになりました。あめ色っぽさが消え、水が抜けた部分に空洞ができています。
左から、普通の木綿豆腐、一夜干し、一昼夜干し、酸ヶ湯豆腐
左から、普通の木綿豆腐、一夜干し、一昼夜干し、酸ヶ湯豆腐
断面を見ると、一夜干しは若干豆腐っぽさが残っています。一昼夜干しが最も隙間があり崩れそうな感じ。酸ヶ湯凍み豆腐は緻密な模様が入って、まるで職人が作っただし巻き卵のようです。
ちなみに、高野豆腐との違いは、高野豆腐は何日もかけて凍結と解凍を繰り返しカチカチに乾燥させていくようですが、今回の凍み豆腐は完全な乾燥はさせていません。ふんわり柔らかな湯葉の塊という感じです。
折角なので、すき焼きにしてみました。ついでに、高野豆腐、焼き豆腐も仲間入り。
どれがどれだか見分けがつかなくなりそうですが・・・
なにこれの新食感!美味すぎ!
ここからは食レポです。
1 酸ヶ湯凍み豆腐
やさしく扱えば、煮ても型崩れしにくいです。口に含むと感じられる細かなテクスチャーは、普通の木綿豆腐や高野豆腐とも明らかに違い、ふんわり繊細な湯葉を食べている優しい感覚です。それはまさに第三の豆腐。煮汁もなじみ、安定感ある美味しさで、病みつきになりそうです。
2 一昼夜干し豆腐(自家製)
型崩れしやすく酸ヶ湯凍み豆腐よりも少々荒いのですが、口の中でホロホロとほどけていく感じがなんとも新鮮で、消えゆく儚さすら感じられます。目を閉じて食べたい。高級寿司のシャリがほぐれていく感じとでもいいますか、想像より繊細で美味しいです。
3 一夜干し豆腐(自家製)
もっとも崩れやすかったです。でも木綿豆腐の滑らかさと、一昼夜干しのほどける感じとが絶妙にミックスされたハイブリッド。まろやかです。これもアリです。
4 高野豆腐
煮崩れを全くしていません。かぶりつくとジュっと汁が出るいつもの感じ。高野豆腐に申し訳ないけど、上の3つを食べた後では、固めでザラついた食感を感じざるを得ず、高野豆腐が嫌いとかそういうことではなく、今回は個人的に衝撃を受けた1~3の凍み豆腐に軍配。
今回の凍み豆腐に自分で順番をつけるとすると、
1位 酸ヶ湯凍み豆腐
2位 一夜干し豆腐
3位 一昼夜干し豆腐
となります。酸ヶ湯凍み豆腐は完成度が高くバランスがよいです。自家製も結構美味しく、僅差ですが一夜干しの方がハイブリッド感が個性的でよいかなと思いました。
今回、自分でも凍み豆腐を作って食べてみましたが、図らずも豆腐の奥深さと可能性を知ってしまいました。ホント新食感です。簡単にできますので、次の寒波の時(マイナス気温時に限る)にでも試してみてください。しかし、酸ヶ湯凍み豆腐の完成度の高さと味わい深さは見事、さすがに完コピまでには至りませんでした。
酸ヶ湯凍み豆腐、是非一度ご賞味ください。
by トド松っつぁん
■酸ヶ湯温泉 〒030-0197 青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地 電話017-738-6400 (酸ヶ湯温泉HPからも購入可能) ■ヤマイシ食専館 〒030-0802 青森県青森市本町4-3-6 電話:017-732-5222 | |
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Webサイト | 酸ヶ湯温泉HP |
その他 | 酸ヶ湯凍み豆腐:1丁300円(税込)※季節限定商品です! |
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