みなさん、見てください。この鮮やかな色彩!すごい迫力!見とれちゃいますよねぇ。ここは浅虫温泉辰巳館。2階の東側窓のスペースにあります。
【「辰巳館」を知っていますか?】
「辰巳館」は、趣のある浅虫の温泉旅館です。数寄屋づくりの建物は雰囲気がありますね。そして庭園に囲まれた露天風呂。長湯したくなるような景観です。清潔感のある店内もとても居心地がいい。ソファや植物、ぬいぐるみなどが置かれた空間にも親しみが湧き、リラックスできて落ち着く感じがします。
青森の浅虫にこのような旅館があること、みなさんは知っていましたか?
【和製ステンドグラス?!】
辰巳館の正面玄関から入ってすぐの階段を登ると・・・2階に上がってすぐ正面に見えるのがこちら!!ねぶた制作の技法で作られたアート作品「ステンドねぶた」です!!
写真を見ると、太陽の光が差し込み、とても色鮮やかに見えますね。飾ってある隣の額に反射して映っているのもとても風情があります。
これは、和紙にステンドグラスのような色彩で描く、という初めての試み。このステンドねぶたの原画・監修は、ねぶた師の竹浪比呂央氏。制作は手塚茂樹氏。青森のねぶた師の方々により作られたそのステンドねぶたは、浅虫がねぶた発祥の地であるという伝説をモチーフに制作されました。
タイトルは「カタクリ咲く湯ノ島と龍神さま」。浅虫の象徴とも言える「湯ノ島」と、湯ノ島に咲き乱れる「カタクリの花」、浅虫を見守ってくれている「龍神様」。龍神様とは、湯ノ島と向き合うように海岸に立つ小山にまつられている八大龍神宮のことで、昔から地元の人たちの信仰を集めてきました。このステンドねぶたには、浅虫の人たちがとても大切にしているものが描かれていることがわかりますね。
そして、辰巳館は、湯ノ島から見て辰巳の方向(東南)にあり、湯ノ島と八大龍神宮をちょうど三角形に見渡せるこの場所にステンドねぶたが設置されました。その辰巳館に辰(龍神様)のアートが設置されたというのは、偶然か必然か、素敵なストーリーですよね。
最初遠目から見たとき、ステンドグラスなのでは?!と思いました。撮影のために近づいてよく見ると、なんと和紙なんです!!和紙に、ねぶたの三大技法「墨跡」「蝋引」「彩色」によって描かれているようです。色鮮やかで、迫力もあり、素晴らしいですよね!
龍神様のうろこアップ
【浅虫はねぶた発祥の地?!】
浅虫はねぶたの発祥の地であるという伝説があります。大和時代から続く中央政権から見て日本列島の東方や北方に住む人達のことを「蝦夷」といいました。平安時代に坂上田村麻呂が蝦夷討伐を図る際、浅虫でねぶたを作って蝦夷を誘い出し、攻撃したという説もあるようです。(諸説あり)
実際、青森ねぶたとは別に浅虫温泉ねぶた祭というものがあり、毎年7月中旬と8月中旬に開催しています。近年は残念ながら新型コロナの影響で中止となっているようですが(今年の開催も未定。)、過去に開催されたものを見ると、青森ねぶたほどの規模はなくとも、迫力は満点!各旅館商店の前には無料のジュースやお酒が準備され、観客は自由に飲みながらゆっくりねぶたを見ることもできます。地元の人たちの一体感も感じられて雰囲気がとても良いんです。今後の開催の形については未定ですが、また開催する時が来たら、ぜひこの雰囲気を肌で感じていただきたいですね。
【ステンドねぶたを通して~女将さんの話~】
辰巳館の女将、戸嶋マサさん。いつも気さくなパワフル女将。私が最初に旅館にお邪魔したときも、本当に気さくにお話してくださいました。
この作品に関わった方々とは皆、初対面とは思えないほどリラックスして話し合いを進めることができたようです。自然と会話が盛り上がり、次々に発展していった。そのような人たちとの温かいやりとりや繋がりがあってこそ、このステンドねぶたが完成した。浅虫ねぶたも昔ながらのねぶた。地元の皆が一つになって浅虫を盛り上げる。ステンドねぶたもその一役を担ってくれたら嬉しい!!とのことでした。
ステンドねぶたは写真でも素敵ですが、ぜひ間近で見て、この太陽の光が差し込む感じ、雰囲気、迫力を堪能してください♪
by えびマヨ
浅虫温泉 辰巳館 | |
---|---|
場所 | 〒039-3501 青森県青森市浅虫山下281 |
TEL | 017-752-2222 |
FAX | 017-752-2143 |
Webサイト | 浅虫温泉辰巳館 |
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。