津軽平野の真ん中に位置し、秀峰岩木山を間近に望める藤崎町。その一角にあるりんご園の跡地に、2021年1月30日にSHIZUKU CAFE(しずくカフェ)がオープンしました。フランス語で“丘の上の木の下のカフェ”とサブタイトルがつけられたこのカフェは、文字通り、ちょっとした丘の上に立つ素敵なところでした。
店主の佐野さんは、元々県内百貨店の食品部門で勤務されていました。カフェを開きたいという長年の夢を実現させるため、津軽地方のあちこちで場所を探していましたが、縁あって、奥様の実家近くであるこの場所と巡り合ったそうです。
「丘」は、自然と登ってみたくなり、集まるところ。「しずく」は、ぽたりと落ちると、波紋が心地よく広がっていく。このカフェには、人々が集い、その輪が広がっていくきっかけとなって欲しいという、佐野さんの優しい思いが込められています。
実はこの丘、もともと平地だった場所にわざわざ盛土してこしらえたものだそうです。建物の屋根もなんとも珍しい白い瓦なのですが、これは秋田の瓦屋さんに作ってもらった特注品。ものすごいこだわり。
そして、丘の中心に位置する部分には、ケヤキの木が象徴的に植えられ、それを取り囲むように建物が建っています。
さて、もともと料理が趣味だった佐野さん、専門書を読み込むなど、独学で料理を学び腕を磨きました。ネーミングも良く、どれも一度は味わってみたいものばかりです。
店のおすすめメニューは、「地元に伝わるポークステーキ」(ごはん、サラダ、スープ付)。早速いただきました。
藤崎町では、人が集う時期になると、男衆が思い思いのBBQ料理を作り、振舞うそうです。その中で特に好きだったのが、奥様の実家で食べられていたこのポークステーキだそうです。
赤身と脂身がベストミックスされた県産の厚切り豚肩ロースには、野菜の旨味がたっぷりしみ込んだ醬油ベースの秘伝のタレがかけられており、いくらでも食べることができます。これは旨い!
そして食後のデザート。すべて手作りということで、どれにしようかと目移りしてしまいましたが、「まったりチョコテリーヌ」をおすすめいただきました。
こだわりのフランス産チョコレートをベース作られ、程よくねっとり感のあるこのチョコテリーヌは、苦みが少なく品の良い甘さに仕上げられています。コーヒーに合いそうです。ちなみに、店で出されるコーヒーは、佐野さんが旅先で見つけて惚れ込んだという、札幌の人気店MORIHICOから直接、焙煎された豆を仕入れています。
また、りんごジュースは、奥様の実家のものが提供されています。りんごの品種は「千秋(せんしゅう)」。甘みと酸味がちょうどよい品種です。千秋のリンゴジュースも珍しいですね。
佐野さんが店内で一番気に入ってる場所は、実は壁沿いのカウンター。各席には小窓が設けられる凝った造り。晴れると窓から岩木山が眺められるそうです。
そしてカウンターテーブルのところどころには、佐野さんが好きだという作家さんの作ったスタンプがかわいらしく押されていました。
オープンして間もないカフェですが、たちまち人気店となり、お昼時は込み合います。りんご畑に囲まれた、スローな空気が流れる場所ですから、折角なのでランチの時間をあえて外して訪れ、ゆったりするのが、このカフェの過ごし方には似合いそうです。
By トド松っつぁん
SHIZUKU CAFE(しずくカフェ) | |
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場所 | 青森県南津軽郡藤崎町高瀬78-1 |
TEL | 0172-26-6485 |
時間 | 11:00~17:00(L.O. 16:30) 定休日:水曜日 ※臨時休業の場合もありますので、公式インスタグラムをご確認ください。 |
Webサイト | SHIZUKU CAFE 公式インスタグラム |
その他 | 席数:12席(テーブル席4、カウンター席4) 駐車場:5台 ※お席の予約は承っていないそうです。 |
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。