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新たな日本酒に宿る“ねぶた魂”【盛田庄兵衛/七力】

特産品・お土産 | 2021-11-22 08:30

毎年9月ごろから日本酒の新酒造りが始まり、徐々に店頭にも並ぶ時期となりました。私にとっても楽しくなる時期なのですが、七戸町にあります「駒泉」ブランドで有名な(株)盛田庄兵衛さんを訪問し、一般的な日本酒の種類の違いや、新しく発売した日本酒などをご紹介いただきました。

お話は、代表取締役の盛田平治兵衛さんにお伺いしました。

■200年を超える歴史の盛田庄兵衛

古くから馬産地として知られる七戸町。商業の歴史も古く、安永6年(1777年)の盛田庄兵衛は、もとは呉服、ランプなどの問屋だったそうです。酒造りに必要な仕込み水は八甲田山系の高瀬川の伏流水の軟水。駒(馬)の里に清らかな水がわいているという伝説から命名されたのが主力銘柄の「駒泉」です。「真心」、「作田」といったブランドも展開しています。

今年から始まった「朔田」(さくた)ブランドも人気

そのほか、青森市内七つの酒販店(ななの会)が地酒を盛り上げようと、原料の選定も行っているオリジナルブランド「七力」も醸造しています。伝統的な発酵技術にこだわり、まさに“職人の酒”として毎回楽しみにしている人も多いそうです。

■日本酒の種類による味わいの違い

日本酒には様々な種類がありますが、今回は「精米歩合」(米の磨き具合)に着目したいと思います。通常、ご飯になる米は、玄米から10%程度を磨き落として(精米歩合は90%)、白米としますが、日本酒造りの米は、通常もっと磨きます。味わいとして、コメの表面にあるタンパク質や脂肪分を磨き落とすことで、雑味が薄くなっていくそうです。

そして、区分として、精米歩合60%(40%を磨き落としたもの)以下のものを、「吟醸」、さらに磨いた精米歩合50%以下のものを「大吟醸」といいます。ラベルに精米歩合が記載される場合も多いです。

この日本酒は、精米歩合55%の吟醸です

精米歩合の数値が小さいものほど、多く磨かれ、米の芯だけの状態に近づいていきますが、次第に日本酒の味わいは淡麗で、華やかな香りが立つようになります。いわゆる「フルーティー」と表現されるお酒には吟醸、大吟醸が多いです。一方で、磨くということは米の粒が小さくなるため、同じ分量の日本酒を造るためには、ベースとなる玄米の量が多く必要になります。そして磨く手間や時間、工程もかかり、コストがかさみますから、どうしても値段が高くなります。

左:むつほまれ(食用米)、右:華吹雪(酒米) 酒米の方が米の粒は大きいです
精米後
左:華吹雪の玄米。中:精米歩合40%の米、右:蒸した米と麹をまぜたもの

なお、磨けばよい、より磨いたものがいいということではなく、精米歩合によって、味わいの変化が楽しめます。

・(精米歩合の数値が大きい):米の旨味があるどっしりとした味わい(雑味は残る)

・(精米歩合の数値が小さい):香りがたちやすく、きれいな旨味がでる(雑味は少ない)

概ねこういった傾向でしょうか。好みや気分にあわせて色々試してみたいです。

日本酒は、精米歩合のほか、米の種類、麹、酵母、糖化と発酵、しぼり、火入れ、熟成などによっても味わいが変わってきます。各酒蔵では、日本酒の仕上がりをイメージ・設計し、バランスよく組み合わせを決めています。

■ねぶた紙を纏った新しい日本酒

先ほどご案内した「七力」ですが、この晩秋の折、目新しい新酒が誕生しました。その名も「NEBUTA SHICHIRIKI」。今年の11月19日に発売されたばかりです。本数限定だそうです。(720ml:1,800円、1,800ml:3600円)

純米吟醸のしぼりたて生(精米歩合55%)。県産の酒米「華想い」を使い、フレッシュな吟醸香で、まろやかな味わいです。(発砲酒を除けば)七力では初めてとなる火入れしていない「生酒」だそうです。しぼりたて生なので、ふわっとした新酒特有の「新酒香」も。個人的にはキリっと冷やして一口一口味わいながら飲みたいです。

特徴的なデザインとして、四合瓶の場合、上部に纏っているのは、ねぶた師の竹浪比呂央さんが製作し、実際に運行した大型ねぶたから採った、貴重な本物のねぶたの和紙です。サスティナブルですね。コロナ渦でねぶた祭は2年連続で中止となっていますが、日本酒から青森を盛り上げたい願いも込められていると思います。大型ねぶたは一つ一つ手書きですから、色やデザインも含め、同じものが一つとしてありません。この日本酒のねぶた紙も、飲んだ後、そのまま捨ててしまうのはもったいないので、切り離して、本のしおりにしたり、装飾に加工するなどいろいろ活用することもできそうです。ちなみに、このお酒を醸す過程で、なんとねぶたのお囃子を酒蔵内で演奏しお酒に聞かせたというこだわりも!青森市内の七力取扱の酒販店(ななの会)にてお買い求めいただけます。

色々なパーツのねぶた紙が使われています
王冠は「コマイズミ」、渋カッコいい

今年、県内の3酒造銘柄である、田酒、陸奥八仙、豊盃によるプロジェクト「三ッ友恵」など新しい取組が話題となりましたが、今回紹介した七力も含め、新しい感性の県産酒が出てくるのは、日本酒愛好者としては大変うれしいですし、今後も期待しています。

by トド松っつぁん

株式会社盛田庄兵衛
場所〒039-2525 青森県上北郡七戸町七戸230
TEL0176-62―2010
Webサイト株式会社盛田庄兵衛ウェブサイト
その他七力facebook

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