JOMONトーク最終回は、お笑い芸人、俳優、彫刻家として大活躍中の片桐仁さんに登場していただきます!
- 片桐さん、こんにちは! 片桐さんは青森県の縄文遺跡を訪問したことがあるそうですね。きっかけは何だったのでしょう?
「最初に青森県とつながりをもたせてもらったのはJOMO-T展(縄文×Tシャツアート展)ですね。土器をデザインしたTシャツを出展しました。その翌年に2泊3日で青森県内を案内してもらったんです。縄文遺跡だけではなく、五所川原立佞武多とかキリストの墓も見たりして。馬刺しも食べましたね。あんなにおいしいなんて知らなかった。それから酸ヶ湯温泉ね」
- けっこういろいろまわったんですね!
「つがる市では亀ヶ岡遺跡を見て、木造駅舎を見てから食堂で麺を食べて、それから埋没林にも行きました」
- 片桐さんは青森縄文トリロジー(3部作)として、遮光器土偶、合掌土偶、板状土偶をモチーフにした粘土作品をつくっていますよね。それぞれについて、解説していただけますか?
「まず遮光器土偶は、土偶をペットボトルケースにしたらおもしろいんじゃないかと思いついて。あの土偶は、美術大学で習ってきた彫刻とかとはまったくちがうんです。筋肉とか、解剖学的なものとも全然ちがうし。宇宙観を実感したというか」
- …宇宙観、ですか?
「これは深いって子どものころから思ってて。自分にとってわけのわからないもののひとつとして、土偶があったんです」
「遮光器土偶っていう名前もいい。だって”遮光器”って言葉は遮光器土偶でしか使わないでしょ」
- たしかに(笑)。続いて合掌土偶ですが…りんごがうまく収まってますね。
「この土偶は、腕と胴体のあいだの空間がおもしろいなと思ったんです。手を組むことによって立体的になってる。こういう手の表現ってあんまりないと思うんです。取れていた部分を縄文人がアスファルトで修復したっていう話があるのもおもしろい。ご神体っぽい」
「このポーズは我々からしたらお祈りですよね。今日も無事でありますようにっていう神頼みみたいな。縄文人の宗教観に深く関わっていたと思います」
- 最後に板状土偶ですが、これは…便利な機能が隠されている土偶、ですよね?
「”十徳ナイフ”みたいに”便利”なものが”十”個入ってます。爪切り、靴べら、温度計、湿度計、方位磁石、オカリナ、ハーモニカ、ルーペ、LEDライト、時計、防犯ブザーなど、10個以上いってますね」
- 便利というか、なんというか…
「リップクリームとスティックのりが並んでいて、サイズが同じくらいで紛らわしい」
「いま思えば、刀にしてもよかったかな。板状土偶ソード。柄の部分が板状土偶で、頭からソフトビニールかなんかでつくった刃が伸びる」
- 板状土偶の形状に関しては、どう思いますか?
「形がシンプルだから、大量生産向きだと思いました。いろんな板状土偶が発掘されてますし。三内丸山遺跡の板状土偶は、髪型が編み込んだような形状になっていて、耳もしっかりあって、人っぽい顔になってるのが印象的です」
「ただ、板状土偶ってネーミングがちょっとなあ。三内丸山遺跡の板状土偶は、愛称とかあるんでしたっけ」
― 愛称はないと思います。正式名称は、大型板状土偶です。
「そりゃないよ!」
- 片桐さんが名前をつけるとしたら?
「恐れおののき土偶。絶叫土偶。スクリーミング土偶。(あらためて写真を見てみると…)あれ、でもそんな絶叫してないか」
- どちらかといえば、ぽかんとしてるような。
「ぽかん土偶か。うちのおばあちゃんそっくりだけどな。おばあちゃん土偶。あと、息を吸ってるようにも見えるよね。イキスイ土偶」
- いいですねえ。
「ほんとにいいと思ってる!?」
- 最後に一言、メッセージをお願いします!
「『北海道・北東北の縄文遺跡群』が世界文化遺産になりましたけど、縄文は日本全国にあるわけですから、都道府県・市町村単位じゃなく、みんな仲良く一体になってがんばってほしいですね。あとは地元の人たちに喜ばれる縄文であってほしいです。地元の人たちがおもしろがるのが一番だと思います」
- 片桐さん、ありがとうございました!これからも青森県を応援してください!
by エムアイ
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