ステンドグラス好きが高じて、昨年より宮越家離れ(中泊町)小川三知の作品や、青系に輝くステンドグラス(青森空港・弘前カトリック教会・弘前市市民会館管理棟ロビー・藤田記念庭園洋館・七戸美光園・東欧義塾高等学校チャペル)についてご紹介して参りましたが、実は青森県内には、生活を彩る素敵なステンドグラスがまだまだあるんですよ!今回は、密やかに光を放つ、そんな知られざるステンドグラスの魅力をお届けいたしましょう!
【三戸町:佐瀧別邸(国登録有形文化財)】
大正14年、堀江組によって設計・施工された八角形三階の望楼が印象的な和洋折衷住宅 。昨年6月、三戸町 のこの異国情緒漂う建物に眠っているステンドグラスを、特別に見せていただく機会に恵まれました。
玄関ドアの上部の飾り窓
玄関ホール内
一階奥の洋室の飾り窓(窓枠の形が珍しい!)
残念ながら作者は不明だそうですが、淡くノスタルジックな色合いでシンメトリー(左右対称)、落ち着きと調和、大正浪漫を感じますね。
佐瀧本店・別邸
三戸郡三戸町大字八日町49
TEL 0179-23-3251
※私有地のため無断立ち入り厳禁
【青森市:東奥カントリークラブ】
某雑誌の当クラブ紹介記事に小さく紹介されていたステンドグラス。目を凝らして、えええ、何これ!と一人で騒ぎ、東奥カントリークラブにお願いしてみたところ、冬季閉鎖中にもかかわらず、今さんが写真をお送りくださいました。
平成元年のクラブハウス建設時に設置された青森ねぶたのステンドグラスだそうです。燃えるような赤を基調に、鮮やかな色合いで迫力がありますね。青森ならではの熱いステンドグラス、ゴルファーの皆さんだけにお見せするにはもったいないと思いませんか?
東奥カントリークラブ
青森市滝沢下川原190-1
冬季閉鎖中
春からの予約受付中
TEL 017-726-5100 (9:00-16:30)
【野辺地町:愛宕(あたご)公園噴水モニュメント】
明治期から町民憩いの公園として親しまれ、約700本の桜の景勝地でもある愛宕公園。春には、町を一望する展望台から伸びる約170メートルのワイヤに、色とりどりのこいのぼりが取り付けられ、一斉にゆらゆらと泳ぐ様子は圧巻です。
その愛宕公園の一角に、ステンドグラスで飾られたモダンな噴水のモニュメントが!シンプルながらも曲線が優雅で、さりげなくおしゃれですね。
愛宕公園
上北郡野辺地町字寺ノ沢56
(冬季間噴水は停止)
【青森市:La Brise Verte ラ・ブリズヴェール 聖パトリック教会】
八甲田の大自然の中にどっしりと建つ聖パトリック教会。そこには、まるで日本とは思えない幻想的な空間が広がっています。
重厚な扉を開けると・・・なんとこちらのチャペルには、170年以上の歴史を誇り世界的に有名なフランツ・メイヤー工房(ドイツ・ミュンヘン)によって作られたステンドグラスが!
写真提供にご協力くださった森本支配人によると、これらは1905年から2年の歳月をかけて制作されたステンドグラスで、アメリカのミシガン州の教会で長年使用されてきたものを、1998年のチャペル建設時に移設したそうです。
熟練したドイツのガラス職人たちによって生み出された崇高な宗教画。光の当たり具合や時間、見る角度によって、こんなにも色合いが変わるんですね!
あぁ、こんなチャペルで結婚式を挙げたかった・・・(遠い目)
La Brise Verte ラ・ブリズヴェール 聖パトリック教会
青森市雲谷山吹92-401
TEL 017-718-8213
【七戸町:七戸小学校】
七戸小学校のコンピュータ室上部壁面には、5面のステンドグラス窓があります。教頭の横濱先生が、写真を撮って送ってくださいました。
原画・監修は、かつて東京芸術大学壁画ステンドグラス非常勤講師を務め、日本のステンドグラス作家の草分け的存在として活躍した池内康氏だそうです。
製作は、パブリックアートで有名なクレアーレ熱海ゆがわら工房。青森空港の大型ステンドグラス「青の森 へ」を手がけた工房です。
古くから名馬の産地として名高い七戸町らしく、馬たちが自由に駆けているモチーフで、色彩が鮮やかで、小細工なしで本物の夢がある空間を演出していますね!
七戸町立七戸小学校
上北郡七戸町上町野130
TEL 0176-62-2602
【八戸市:柏崎小学校】
柏崎小学校には、とても特別な3面の丸窓があります。教頭の相馬先生にご協力いただき、詳細を知ることができました。
平成22年度、当時5年生だった生徒たちが、ワークショップで自由気ままに表現した18枚のデザイン画を、同小学校の卒業生である八戸市出身の壁画アーチストはやしまりこさんが3点のデザインにコラージュしてまとめ、それをステンドグラスにしたそうなのです。
子供たちの思いが詰まった丸窓です。なんて素敵なんでしょう!他の 2面のステンドグラスも、ぜひ見てみたいです!
八戸市立柏崎小学校
八戸市青葉2丁目7−1
TEL 0178-43-2263
【八戸市:ユートリー2階】
そしてこちらは、先月南部方面に出張に行ったえびマヨが見つけて、写真を撮って来てくれた作品です。作者や作品名は表示されていなかったのですが、写真を見た瞬間に不思議と懐かしさを覚え、もしや?!と。
私、バムセは、大昔に10年程ステンドグラスを習っておりました。この窓の構図の感じ、ガラス選びと色合い、丁寧なはんだのラインから、師匠の作風に思えたのです!すっかりご無沙汰してしまっていたのですが、思い切ってその工房キャッツポー(八戸市)に連絡してみると・・・ビンゴ!本当に我が師匠、板垣先生の作品だったので驚き胸が熱くなりました。奥様によると、先生が忙しい合間に種差海岸の好きなスポットをデザインし、ガラスを取り寄せて作った窓で、ご夫妻のお気に入りの作品だそうです。
ユートリーには、他にも板垣先生の作品がいくつかあるそうなので、ぜひ春になったら出かけたいと思っております。
ユートリー(VISITはちのへ)
八戸市一番町1丁目9-22
TEL 0178-70-1110
【むつ市:海と森ふれあい体験館】
最後は下北半島から。こちらもネットで偶然見つけたステンドグラスです。むつ市の海と森ふれあい体験館の1階シェルミュージアムの壁に、こんな素敵な丸窓が3面並んでいるそうです。スタッフの小池さんが、写真を撮って送ってくださいました。
世界遺産モン・サン・ミシェルの紋章をベースに生み出されたデザインだそうです!
ホタテ貝は、キリストの十二使徒のひとり、聖者ヤコブのシンボル。そう思うと、ますます神秘的な丸窓に感じられて来ます。こちらもぜひいつか、実物を見に行きたい!
むつ市海と森ふれあい体験館
むつ市川内町川内477
TEL 0175-42-2411
9:00-17:00
※当面はむつ市および下北郡内在住者のみ受け入れ
みなさん、お楽しみいただけたでしょうか。青森県にはこの他にも、カフェ、レストラン、教会、病院など、今回掲載仕切れなかったステンドグラスがたくさん。いつかまた何らかの形で、密やかな光と影をご紹介できますように!
by バムセ
追記:電話やメールでの取材に応じてくださったり、写真をお送りくださった関係者のみなさま、ご協力いただき本当にありがとうございました。
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。