思想家の柳宗悦が、名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝(民衆的工藝)」と名付けたとされています。
今回は、青森県内の民藝品を中心に、全国各地の民藝品を取り扱うお店をご紹介します。
「つがる工芸店」は、柳宗悦の思想に共鳴、昭和17年に日本民芸協会青森支部を結成し、県内の民芸の研究や職人の育成に力を尽くした相馬貞三氏が、昭和24年弘前市の土手町に開店、その後昭和28年には、同市山道町に移転し、営業しておりました。現在は、娘婿の會田秀明さんと美喜さん(相馬貞三の娘)がお店を引き継ぎ、平成17年に青森市に新築移転し、営業しています。
創業者の相馬貞三氏は、棟方志功と交流があった(美喜さんの記憶では、志功さんはよく家に来ていて、貞三さんととても仲が良かったそうです)ことから、現在も使われているお店の包装紙は、棟方志功のデザインとなっています。
お店の1階と2階には、職人の手仕事により作られた、美しく、使いやすくて、かわいい、そしてどこか懐かしい、民藝品があちらこちらにあり、全部欲しくなってしまいました。
ここからは、つがる工藝店で取り扱っている青森の民藝品の一部をご紹介します。
ウメノハナ・クルミなどの多彩な幾何学紋様が美しい「南部菱刺し」
「津軽の馬鹿塗り」の異名をもつほど手間と時間をかけて丁寧につくられる逸品「津軽塗」
素朴で温かみがある鳩笛が優しい音色を奏でる「下川原焼土人形」
津軽の風土を表すような素朴ながらも独特な味わいがある「津軽焼」
勇壮な武者が舞う津軽の伝統的な凧「津軽凧」
丹念に編み込まれ、丈夫で使うほどになじむ「あけび蔓細工」
男性が女性のために、材料や襟の模様を吟味して製作した「伊達げら」
厳しい北国の自然の中で生きてきた女性の知恵の産物「こぎん刺し」
つがる工藝店が北洋硝子と協力して製作した日常使いのガラス器「津軽ガラス」
すっかり民藝品のとりこになってしまい、時間が経つのも忘れて見入ってしまいました。
なお、會田さん夫妻は高齢のため、基本的に1月から3月までは冬季休業(お電話で営業について、お問い合わせをお願いします。)4月から12月までは、月6日だけの営業となりますので、お店に行く際は、お電話(つがる工芸店(電話)017-743-7009)により事前に営業を確認していくことをおすすめします。
みなさんもお気に入りの民藝品を探しに行きませんか。
by R279
つがる工芸店 | |
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場所 | 青森市桜川7-19-50 |
TEL | 017-743-7009 |
時間 | 月1回の販売日(月末6日間)のみお店を開いています。10時から18時まで。1月から3月まで冬期休業(お電話で営業について、お問い合わせをお願いします)。 |
Webサイト | つがる工芸店 |
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。