こんにちは!
突然ですが、皆さんは、青森県立美術館のフロアスタッフの制服(ユニフォーム)をご存知でしょうか?
知っている方も多いかもしれませんが、こちらは、ファッションブランドのミナ ペルホネン(デザイナーの皆川明氏が設立)が手掛けたものです。美術館のシンボルカラーである水色と茶色の生地に、ミナ ペルホネンで長く作り続けられている刺繍モチーフ「choucho(ちょうちょ)」が施されています。とても素敵ですよね。
今回は、7月16日から青森県立美術館で、展覧会「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」が開催中と聞きつけ、さっそく行って参りました!
美術館へ向かうと、まずは入口でchoucho(ちょうちょ)がお出迎え。
さて、いよいよ展覧会の入場口へ。
入口を入ると、エントランスギャラリーには様々な種類の生地がずらり。色や素材、デザインの異なる生地の多さに圧倒されます。
そしてふと振り返ると、そこには先日7/13,14で皆川氏が公開制作を行った巨大キャンパスもありました!
さて、いよいよ入場口へ。今回の展覧会では、ミナ ペルホネンのものづくりの営みを自然界に例え、7つの章(入口も含めると8つ)に分けて展開していました。
では、行ってみましょう!
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《実》タンバリン
ミナ ペルホネンの代表的な刺繍デザインである「タンバリン」。ドットが並んで丸い円が連なっているような模様です。
展示を見ると、このタンバリン1つに使われている糸の長さはなんと6.93m。また、タンバリン1つを刺繍するのには9分37秒もかかっていることにも驚きました。一つ一つ直線の糸を集めてドットを作り、それを25個も繋げているので、それぐらいは必要なのですね。そして、さらに驚くのが、このタンバリンの円の形状やドットの間隔、刺繍の膨らみなどが全てそれぞれ異なっていること!同じように見えるけれど、実は少しずつ違うんですね。刺繍に注目して見てみると・・・確かに!
《森》洋服の森
ここではミナ ペルホネンのこれまで約27年間で発表された服のコレクションが展示されていました。一歩足を踏み入れると、そこには部屋一面にミナの服が!!
短いサイクルで大量消費される服ではなく、シーズンを超えて長く繰り返し愛用できることを目指したというミナの服。自分ならどれを着たいかなぁと考えながら、ぐるぐると何周もしてしまいました。
この中に27年前にデザインした服があるなんて…どれなのか全然わかりません!ずっと一貫した価値を持って作り続けられているということは、こういうことなんですね。
ぜひ皆さんも自分のお気に入りを探してみて下さい。
《種》アイデアと試み
続いて、ミナ ペルホネンの根幹となっているものづくりの考え方やアイデア、図案などを見ることができるコーナーへ。アイデアの発想は、日常の様々な事象をキッカケに生まれるんだなぁと実感。そのデザインに至った思いやこだわり、過程を知っていくことで、ますますミナの虜になります!アイデアを常に模索し、形になるまで時間をかけて一歩ずつ進むという姿勢でものづくりされていることが伝わってくる展示でした。
《風》生活とデザイン
ここでは、ミナ ペルホネンの服を着ている人の「日常」を映像で見ることができます。ミナの服は「日常のための特別な服」としてそれぞれの人の生活に溶け込んでいて、とても自然でした。何気ない普段の生活の場面ではありますが、喜びや愛着などの感情を含めた特別な感じが映像から伝わってきました。
《芽》テキスタイルのためのデザイン
次に、様々な生地のデザイン画が展示されたコーナーへ。織物用、プリント用、刺繍用それぞれに特徴があります。見ていると、あれ、さっき服で見たデザインが!服になる前の過程を見ることができるのも面白いです。その数は柄数にして850種を超え、色などの違いも含めると3,500種にもなるそうですよ!長く制作を積み重ねてきた証ですね。
《根》挿画
ここでは、皆川氏が描いた朝日新聞などのコラムの挿画を見ることができます。今まで見てきた生地のデザインの感じとはまた異なるタッチで印象的でした。
《土》洋服と記憶
時の経過によって色褪せず、何年も持ち主に寄り添い続ける服を追求してきたミナペルホネン。ここでは服と持ち主のエピソードが紹介されていました。
どの服も持ち主の思い出の一部となっていて、世代を超えて愛着を持たれていました。服を着ると思い出が蘇ったり、元気が出たり。それぞれのエピソードに心が動かされました。こんな風に思い入れを持って大事に着られる服、欲しいなぁ。
私は開館と同時に入り、午後も見て夕方まで入り浸りました。ミナの神聖な根幹に触れることができて、こだわりと想いが詰まったデザインに釘付けでした!皆さんも是非実際に足を運んでみてくださいね!
by えびマヨ
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