まるごと青森

コーヒーを通じて人が交わるしあわせ空間【COFFEEMAN good】

グルメ 青森の人 | 2023-01-12 10:00

青森市中心部の商店街、その一角に、地域の人たちが集うおしゃれな空間があります。COFFEEMAN goodという名前の、とっても小さなコーヒースタンドです。今回はこちらのお店を営む橋本雄大さん・有里さんにお話をうかがいました。

― 雄大さん、とても居心地のいい空間ですね。なんというか、仲のいい友だちの部屋に立ち寄ったみたいな…

雄大さん「ありがとうございます。常連のお客さんはそんなふうに感じている方が多いかもしれません。ここは地域の人たちと、地域の外から来た人たちがコーヒーを通じて交わる場所なんです。ここを旅の目的地にして、遠くから来てくれる方もいます」

― オープンしたのはいつですか?

「前の人から受け継いで、リニューアルオープンしたのが2017年8月です。僕は青森市出身で、18歳で東京に出て、しばらく向こうで仕事をしてから青森に戻ってきました。なので、まずは僕ら自身の居場所をつくらなきゃと思って。コミュニティをつくるというよりは、コミュニティの中に入っていく。まずは認知してもらう。そのためのツールがコーヒーでした」

― もともとコーヒーが好きだったんですね。

「じつはそうではなくて…」

― そうなんですか!? どんな経緯でこの仕事をすることに?

「大学を出て就職したんですけど、その仕事があまりうまくいかなくて…。休みの日、気分転換によく街を歩いていたんです。そしたらある日、たまたま入ったコーヒー店のメニューボードに『完熟した葡萄のような甘み』というニュアンスの説明書きがあって…」

― すごい表現ですね…

「葡萄?そんなわけないでしょと。それで、だまされたと思って注文してみたんです。そしたら、本当に葡萄の味がした。びっくりしました」

― それが転機になったわけですね。

「コーヒーにはまって、いろいろお店をまわってみてから、スペシャルティコーヒーの専門店に転職しました。そこで働きながらコーヒーの資格を取ったり、大会にチャレンジさせてもらったりしました」

― そのときはまだ東京に?

「そうです。青森に帰省したとき、たしか冬の夕方だったと思うんですが、たまたまCOFFEEMAN goodに入りました。それがこの店との出会いです」

― 最初の印象はどうでしたか?

「まず、あやしい。こんなに小さい規模の店は、東京にもなかなかない。ザ・コーヒースタンドっていう佇まいの店ですよね。それをきかっけに、帰省するたびにここに寄って、お店の人と話をするようになって。あるとき、自分が大会で使う豆を、この店に置いていったんです。パナマのゲイシャ種なのですが、それを店のオーナーが飲んだら、すごくおいしかったらしくて。そしたら翌日、僕が働いていた横浜の店に、オーナーが会いに来たんです」

― 翌日!? まさかの急展開ですね。

「その日の夜に、オーナーと食事をしました。そのときオーナーから『自由にお店をやっていいので、青森に帰ってきませんか?』と言われて」

― それで、雄大さんの返答は?

「『じゃあ頑張ります』と」

― 急展開すぎる!

「横浜出身の妻の有里には申し訳なかったですが『一緒に青森に行くよ』と伝えました」

― そう言われて、どうでしたか?

有里さん「青森に行くことを、わたしはあまり深く考えていなくて…。本当に行くのかなあと。じつはそのころ、結婚式の準備で頭がいっぱいだったんです。不安もあったとは思うんですが、ほかにやることがたくさんあって、不安に気づかなかったのかもしれません」

― 雄大さん、よくそんな時期にUターンする決断をしましたね…

雄大さん「結婚式が2017年の7月。その2週間後に青森に引っ越して、8月に開店しました。最初、妻はお店に立つ予定ではなかったんです」

有里さん「人と接するのがあまり得意ではなかったので…。ただ、夫がひとりでお店をやるのは大変なので、皿洗いくらいなら、と思ってはじめました。お客さんが来ても何を話せばいいのかわからなくて、隅っこにいたり…。最初のころは慣れなくて、お店にいないときもあったんです。そしたら、『あれ、有里さんは?』とお客さんが言っていたと夫から聞いて。わたしの存在を含めてこのお店だと思ってくれているとわかったんです。わたしもいたほうがいいのかな、という思いになって、今に至っています」

― お二人がそろっていてこそのCOFFEEMAN goodです!常連さんはみんなそう思ってるはず!ところで、コーヒーはどんな基準で選んでいるんですか?

雄大さん「前は、コーヒーのクオリティと自分の好み、それからお客さんの反応を考えながら豆を選んでいました。でもペルーとボリビアに行ったことで、少し変わって…」

― ペルーとボリビア!?

ボリビアのコーヒー農園
ボリビアのコーヒー生産者と

「南米に行って、生産者の思いを知ってしまって…。そうなると、その生産者のコーヒーを買いたいと思っちゃいますよね。でも小さい店だから、たくさんは買えない。今は、しあわせなこの空間を維持しながら、豆の取扱量を増やしていきたいと思っているんです。矛盾するようですが、それを両立できる方法を探しています」

「今年はボリビア産だけで10種類くらいの豆を仕入れる予定です。そういう店って東京にはあるけど、青森にはありません。コーヒーの選択肢が増えることで、お客さんがそれをおもしろいと感じるか、選ぶのが大変だと感じるかはわかりませんが、どんな反応をしてくれるのか興味があります」

― それは楽しみですね。今後の展望は?

「これからのことは…悩んでいます。選択肢のひとつは、この店をずっと続けていくこと。僕らにとっても、この小さな空間、コミュニティは居心地がいいんです。日々、小さなしあわせを感じられるって、いいことですよね」

― たくさんの人に必要とされている店なので、ぜひ長く続けてほしいです。雄大さん・有里さん、今日はありがとうございました!またコーヒー飲みにいきますね!

 

by エムアイ

 

COFFEEMAN good
場所青森県青森市古川1-17-1
時間11:00~18:00 火・水定休、その他不定休  ※ Instagram、Googleにてご確認ください。
WebサイトCOFFEEMAN good

掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。

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