存在しない架空の都市の地図を描く「空想地図」という趣味があるそうです。私も以前、展示されているのを見たことがあるのですが、とてもリアルで詳細なんです!
想像を膨らみに膨らませて作成された地図は、そこに暮らす人々の生活までをも感じさせるような説得力と魅力を持っています。
さて、今回ご紹介したいのは、架空の地図ではなく「架空のお店のロゴマーク」を商品化しちゃったグッズです!
青森市にある雑貨屋さん「三ノ月舎(みのつきしゃ)」では、4年ほど前から架空の本屋さんのロゴをあしらったオリジナルグッズを販売しています。
「空想ロゴグッズ」と呼べばいいのでしょうか?
りんごやこけし、うみねこといった青森にゆかりのあるモチーフを選んで、書店のロゴに仕立てています。
これがどれも「もしかして実際にあるのでは?」と思わせる出来栄えで、なんともかわいいんです!


りんごの断面やねぶたの跳人の花笠がうまく本の形と組み合わせられている秀逸なデザイン、プロのアイディアかと思ったら、なんと原案は「三ノ月舎」スタッフの皆さんによるものなのだそうです。
「アイディアはふっと降りてくる感じです。古書市のイベントに合わせて作ったグッズなのですが、ギリギリにならないと降りて来ないんですよね」と、店主の山口さんが笑いながら教えてくれました。
一番人気は「林檎書林」。山口さんのお気に入りは「こけし書房」だそうです。

架空の書店だけでなく、翌年には架空のアウトドアショップのロゴグッズも完成しました。遮光器土偶(通称シャコちゃん)に岩木山、青森市民のソウルフード(!?)「棒パン」までロゴ化しています!

しかもそれぞれの架空ショップは創業年やスローガンまで設定されている徹底ぶり。ロゴデザインのテイストの違いから、存在しないはずのショップ店主の人柄まで伝わってきそうな深みがあります。
「ストーリーを考えていると楽しくて。妄想が捗っちゃうんです!」と山口さん。
例えば「Fuji hanp(フジハンプ)」は、どれどれ…
「1946年『藤崎帆布』創業。高品質な一級帆布テントを作り続ける。2010年に二代目が承継し『Fuji hanp』としてアウトドアバッグやリュックを製造。」だそうです。

一代目と二代目は方向性の違いで揉めたりしたのかしら?「今のテントは軽い素材が主流なんだよ!親父のやり方じゃこの先やっていけないんだよ」なんて衝突があってお店のテイストを刷新することになったものの、やっぱり原点であるレトロなテントの形は残そうという息子さんの思いがロゴマークに表れているのでは…なんて、私も妄想が捗ってしまいました。
ステッカーは耐水・耐候性があるので、車やアウトドアグッズ、釣具などに貼ることができます。手持ち品につけるだけで日用品に(架空の)ストーリーが生まれます!
特にアウトドアシリーズは男性人気が高いそう。ステッカーのほかにトートバッグもあるのですが、人気すぎて生産が追いつかないほどだとのことです。
三ノ月舎さんの青森愛がひしひしと伝わってくるこのシリーズ。次回作の登場はアイディアが降りてくるかどうか次第だそうですが、いろんな空想ロゴが見たくなってしまいます!

By ぺすか
三ノ月舎・ラビナ店 | |
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場所 | 青森市柳川1丁目2-3 青森駅ビルLOVINA(ラビナ)2階 |
TEL | 017-774-3033 |
時間 | 10:00〜20:00 |
Webサイト | 三ノ月舎インスタグラム |
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