八戸駅から車で約20分。ジャズとそばのさと「八戸市南郷」。
ここに楽器を演奏する猫が描かれたラベルのクラフトビールがあります。
クラフトビールを作るのは…
株式会社カネク醸造。
2020年3月に八戸市の旧南郷地区給食センターの土地と建物を使用して誕生しました。
創業者は、なんと機械修理会社(ハード工業)の社長さん。
出張先のドイツで飲んだバイツェンに感銘を受けた社長が「地元で愛されるクラフトビールを作りたい」と思い、10年の構想を経て創業した醸造所です。
定番商品は「Hazy IPA(ヘイジーアイピーエー)」、「Golden Lite Ale(ゴールデンライトエール)」、「Weizen(バイツェン)」の3種類。
このほか、限定醸造のものも数多くあります。
カネク醸造のラベルには猫が描かれています。
創業者の家に実在する3匹の猫がモデルとなっていて、会社のロゴにもなっています。
「ビール」の条件
なお、便宜上、クラフトビールと記載していますが、日本の酒税法上は「発泡酒」になります。
ちょっと話はそれますが、
日本で「ビール」と表記される条件ですが、ざっくりいうと3つあります。
【その1】麦芽比率(ホップと水を除いた原料で麦芽が占める割合)が50%以上であること。
【その2】副原料(米やコーンや果実など)の使用割合が麦芽に対して5%以上であること。※副原料は酒税法で定められているものに限る。
【その3】ビールの醸造免許を持っていること。
ビールの醸造免許と発泡酒の醸造免許の取得における大きな違いは、年間最低製造量です。
ビールと表記するためには、年間60キロリットル以上を作り、さらにその販路までふまえて事業計画を提出し、税務署から免許の交付を認めてもらわなければなりません。
なので、ビールコンテストで入賞しているビールでも、日本の酒税法上、発泡酒と表記されているものもけっこう多いのが実情です。
いずれにしても、醸造家の創意工夫によって幅広い味を楽しめるようになってきているのは、とても嬉しいことです。
「改めて攻めて尖ったビールを作りたい」
さて、話はカネク醸造に戻ります。
現在、代表は代替わりして山形虎雄さんがカネク醸造と機械修理会社(ハード工業)の社長という二足の草鞋を履いています。
イベントなどで生ビールの販売も行っていますが、サーバーは社長お手製とのこと。さすがです!
山形社長に目標を伺いました。
社長「自分たちのレベルを上げるためにも、どんどん新しいものに挑戦したいと思っています。1年に新商品を4つ作るという目標を立て、既に達成しました。攻めて攻めて尖ったビールを作りたいと思っています。」とのこと。
ビールファンとして非常にワクワクします。
好奇心から、社長の好きなビールも聞いてみました。
社長「これから販売になる『Go Beyond』です。今年の春に社員みんなでアメリカに研修に行きました。アメリカでも通用するビールを作りたい。と決意を新たにして出す商品です。」
決意を表すかのように、ラベルには新たな旅立ちを迎えた3匹の猫の姿がありました。
なお、9月中旬の出荷分から、カネク醸造の全品種の商品が、加熱処理を行わないビールに切り替わったそうです。種類によっては劇的に風味が変わった商品もあるとのこと。
新たな出発を誓うカネク醸造。今後の商品も楽しみです。
byジュニア
株式会社カネク醸造 | |
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場所 | 青森県八戸市南郷大字市野沢字屋敷添14−2 |
TEL | 0178-38-5474 |
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