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シン・津軽百年食堂~2025年は昭和100年~

グルメ 観光スポット 青森の人 | 2025-01-08 08:30

皆さま、新年明けましておめでとうございます!

今年もまるごと青森ブログをよろしくお願いいたします。

さて、2025年は昭和で言えば100年にあたる年だいうことをご存じでしたでしょうか?

100年と言えば、約20年前に話題となり映画化などもされた「津軽百年食堂」を思い起こす方もいらっしゃるかと思います。

というわけで、今回はそのリバイバル企画として「シン・津軽百年食堂」をお届けします!

①弘前市 三忠食堂

昭和の空気感そのままに

三忠食堂は少なくとも創業115年はたっており、地元客・観光客の来店のみならず、地元の小学生の社会科見学の場にすらなっているほど、地域に根ざした老舗となっています。弘前市内にもう一店舗、のれん分けした塩分町分店もあります。

風格あるのれんをくぐり中に入ると、まるで昭和にタイムスリップしたかのようなレトロな店内に出汁の優しい香りが漂い、なんともノスタルジック。

創業当初からの伝統 津軽そば

四代目当主・黒沼 三千男(くろぬま みちお)氏(75)は、25歳で店を継ぎ、50年切り盛りしてきました。

人当たりが良く優しい四代目

初代の曽祖父の時代からの伝統である津軽そばは3日間かけて仕込む特別なそば。毎日3~4時間はそばを打つのでかなりの重労働ですが、その手間をかける割に低価格で良心的です。

津軽そばにはデザートにリンゴもついてきます!

外ヶ浜町の平舘地区にある木浪水産さんから仕入れる焼き干しで作る出汁は素朴で優しい味わい。箸で持ち上げるだけでぷつぷつと切れてしまうような、淡くはかない食感も特徴的です。

現在人気ナンバー1メニューは?

そして、土日だと40~50食出るという一番人気が中華そばです。

こちらは出汁に鯖ぶしを使っています。頭と内臓を取っているので、臭みがありません。取材中も隣の席でご婦人方が、「おいしい!」と喜びながら食べていました。

四代目曰く、「まさにこういうお客様の喜んでくださる声がやりがいで、50年やってこれました。この仕事は死ぬまでやります。何歳までやったら引退ということはないです。」

将来に向けて

そして、五代目となるのがご子息の卓也氏(48)です。

以前は民間企業で勤務していた卓也氏は、すでに13年ほどお店を手伝い、次期店主となる予定です。四代目が語るところでは、「この仕事はそば打ちなど手間暇がかかり独りではできないが、息子はまだ独身。なので無理せず、また借金などもせず、自然体で店を継いでいってほしいと願っています。」

父として後継者のことを想い、優しさにあふれる表情が印象的でした。

懐かしい雰囲気の店内

今後は、津軽そばとざるそばのハーフ&ハーフセットなどの新商品を予定中とのこと。店のこれからに今後も目が離せません。

【三忠食堂】

住所:弘前市和徳町164

電話番号:0172-32-0831

営業時間:11時~19時

定休日:火曜日

②黒石市 すごう食堂

大正時代から引き継ぐ無添加の優しい味

ちょっと傾いている?ような、不思議な外観

弘南鉄道弘南線の終点である黒石駅のすぐそばに店を構えるすごう食堂。まるで大正・昭和のタイムカプセルであるかのような、古き良き時代が息づく店舗です。

約120年前の創業当初からの伝統メニューはそばとうどん。玉子そばをいただいてみると、化学調味料無添加の素朴な味わいで、煮干しの出汁の旨味が広がります。

客の8割が注文する「つゆやきそば」とは?

駅近ロケーションのため、海外からを含めた観光客が多く立ち寄ります。その8割が注文するのが黒石市のB級グルメ・つゆやきそばです。昭和30年代後半に黒石市中郷地区の飲食店でやきそばにつゆをかけたのがはじまり(諸説あります)で、現在は町おこし的に多くのお店でメニューに掲げているご当地グルメです。

すごう食堂のつゆやきそばは、丼が深く一見するとまるでラーメンのよう。ところが食べてみると不思議とやきそばなのです。それもそのはず、作り方はまずソースでそばを炒めた後に、煮干し出汁のスープを足しているそうです。

ソースの味が香ばしく、かすかに酸味も感じます。最後にたっぷりとトッピングしているおあげにも懐かしさが漂います。

店主の君(きみ)さんはくるくる働く元気なおかあさん

四代目店主の須郷 清(きよ)さんが2021年に93歳で亡くなり、現在は妹の君(きみ)さん(79)が一人で店を切り盛りしています。

つゆやきそば調理中

高校を卒業し洋裁学校に3年通った後、数年よそで働いてから、25歳の時点で家業を手伝い始めたという君さん。当時は農協が店の向かいにあり、その職員からの出前注文も多かったので、君さんはもっぱら出前担当として繁盛店の一翼を担ったそうです。現在も華奢な体で常にくるくると忙しく動き回り、阿吽の呼吸であった姉がいなくなった穴を健気に埋めています。

気になる店の将来

レトロ感あふれるメニュー表 「ブドウ酒」が気になる!

買い出しから皿洗いまで全ての業務を一人でこなす君さん。やりがいは、遠く九州や香港などから食べに来てくれるお客さんの存在です。それでも、年齢による体力の衰えを感じる今日この頃と言います。衝撃的なことですが、君さんとしてはあと5年ほどでこのすごう食堂を閉店しようと考えているそうです。

このレトロで懐かしい、独特な世界がなくなってしまうなんて、そんなことがあって良いものでしょうか。。。どなたか、このすごう食堂を継ぎたいという方が現れないか、祈るばかりです。

【すごう食堂】

住所:黒石市一番町20

電話番号:0172-52-3476

営業時間:11時~19時

定休日:不定休

③つがる市 神武食堂

ジャスト100年前の創業当初からの味

2024年11月に正真正銘の創業100年を迎えた、つがる市木造駅前の神武食堂。

まず創業当初からの「初期メン」メニューである中華そばは、煮干し、焼き干し、昆布の出汁がききつつもあっさり、さっぱりとして何杯でも食べれそうな味。王道の味わいの中に、100年にわたり愛されてきた風格を感じる一品です。

出汁をたっぷりと吸ったお麩が入っているのもユニーク

人気ナンバー1メニューは本格担々麺

神武食堂という舞台のセンターに君臨しつづけるのは、担々麺です。こだわりはまず豚肉。青森県内のブランド肉である十和田ガーリック豚や、鯵ヶ沢町の長谷川自然豚のみを使用し、肉味噌を作っています。

ジューシーな肉味噌

肉味噌は毎日10kgも仕込んでいるそうです。

巨大タッパです

スパイスにもこだわりが。なんと2種類の花椒(ホワジャオ)を店内でミルで挽き使用しています。1種類目はしびれがより強く辛みが強い「赤」の花椒。そしてよりマイルドな「青」の花椒。この2種類を投入し手作りの甜面醤を作っています。このスパイスにより、見た目よりもかなりパンチがあり、印象的な深い辛みとジューシーな肉のハーモニーが味わえる一品となっています。

18歳から25歳までの7年間、都内の中華料理店で修業した店主ならではの本格的な担々麵です。

百年食堂をあえてアナログに残す

四代目店主・神 祥仁(じん しょうじ)氏(57)は、先代の父が11年前に他界したことから、46歳の時にお店を継ぎました。

担々麵調理中

昨今の人手不足などで多くの食堂が券売機を置いて前払いシステムをとる中、神武食堂ではあえて後払い。コロナ禍でPayPayとd払いを導入したくらいで、今もアナログなスタイルを貫きます。お客さんが来れば威勢の良い挨拶を欠かさず、一人ひとりとしっかりとコミュニケーションを取るのです。

笑顔がまぶしい四代目

創業100周年イベント開催中!

この人懐っこさが縁を呼ぶのでしょう。青森市のイラストレーター・豊川 茅(とよかわ ちえ)さんが企画した創業100周年イベント「スーパーラブ・神武食堂展」が現在開催中です。入場は無料。

まずのれんがキュートにリニューアル

店の100年の歴史をポップなイラストなどで振り返りながら、食事を楽しめるようになっています。

小上がりの席では12月に落語会も開催されました

当イベントは2025年3月末までとなっています。今しか見れないポップな店内をぜひ体感しに行ってみてくださいませ!

近隣の子ども達から寄せられた塗り絵が天井にびっしり!壮観です

【神武食堂】

住所:つがる市木造宮崎1-10

電話番号:0173-42-3421

営業時間:11時~19時

定休日:火曜日

 

昭和100年にあたる節目の今年、昭和のノスタルジーを味わえる津軽百年食堂にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

by フォレスタ

掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。

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