まるごと青森

三日仕込み、梵珠の恵み。五所川原市本町『そば処 義平』

グルメ | 2025-06-13 22:00

津軽蕎麦とは

突然ですが、日本三大蕎麦を知っていますか?
と聞かれると、岩手県の「わんこそば」、長野県の「戸隠そば」、島根県の「出雲そば」、ご存知の方もいらっしゃるでしょうか。
三大蕎麦に限らず、「蕎麦」と聞くと、「コシ」がある、「歯応え」がある、「のどごし」が良いなどのキーワードで表現されることが多いと思います。
「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」とにかく蕎麦はスピードが命!の食べ物というイメージかもしれません。

それでは、「津軽蕎麦」を知っていますか?
「津軽蕎麦」というのは、津軽地方に古くから伝わる蕎麦の製法全般を指しており、県内の製麺所としては、弘前市の株式会社アキモト製麺「津軽そば」(つなぎは大豆)、青森市の株式会社大谷製麺工場「雲谷(もや)そば」(つなぎなし)、そして今回ご紹介する五所川原市の有限会社ヤマホ竹鼻製麺所「梵珠(ぼんじゅ)そば」(つなぎは小麦粉)があります。

「津軽蕎麦」の製法、それは3日間、毎日工程の終わりに寝かせることです。つまり「津軽蕎麦」は製造に最低3日間はかかる、蕎麦の一般的な製造イメージとは真逆の「ゆっくり」「時間をかけて」「寝かせて」作られるお蕎麦なのです。

梵珠そばとは

五所川原市「有限会社ヤマホ竹鼻製麺所」で作られる蕎麦のこと。この製麺所は、県内で1番古く、明治11年創業、今年で147年になります。直営店で食べられたり、持ち帰り用を購入できたりするほか、五所川原市内のスーパーや飲食店 、NHKの「ドキュメント72時間」で話題の「鹿内そば屋」でも、40年近くここの「梵珠そば」が使われているとのことです。

「梵珠そば」が他の「津軽蕎麦」と違う点は、そばの芯の部分を挽いた更級粉を使用しているところ、そば粉を練ってだんご状にして、一晩水に浸けたものを、水を新たに加えずにそば粉と混ぜ合わせて作っているところだそうです。

そしてそこからは「津軽蕎麦」共通の行程。生地のまま更に寝かせる、製麺して寝かせる、茹でてからも寝かせます。これにより、見た目が白く美しい、独特の食感の「梵珠そば」が生まれます。

梵珠(ぼんじゅ)とは

「梵珠そば」名前の由来になっている「梵珠」というのは青森市と五所川原市にまたがって位置する標高468mの「梵珠山」から名付けられたそうで、「県民の森」として親しまれ、津軽地域の小中学生は校外学習として訪れることも多い身近な山です。

山の名前は「釈迦三尊仏の文殊菩薩の名から名付けられた」と伝えられています。身近な山であると同時に、古くから信仰の山とされています。旧暦の7月9日から10日にかけて不思議な光が目撃されることもあるそうで、地元では「お釈迦様の墓に高僧の霊が帰って来るときの後光」とされ、運良く見ることができればご利益があるという言い伝えもあるとか。

深夜、梵珠山に登山し、伝説の「火の玉」の出現を待つ「火の玉探検」という夏の恒例行事があるそうですよ。

 

そんな梵珠山から染み出す地下水を使って、「ゆっくり」「時間をかけて」「寝かせて」作られる蕎麦、一体どんな特徴がある、どんな食感のものなのでしょうか?

 

竹鼻製麺所の直営店「そば処 義平(ぎへい)」で梵珠そばをいただく!

今回は有限会社ヤマホ竹鼻製麺所の直営店である「そば処 義平」で「梵珠そば」をいただきました。

それがこちら!

梵珠そば

 

まず、蕎麦を箸で掴むのに少し手こずります。

それもそのはず……

見てください、この麺の“つるつる”感溢れる輝き✨

そしてみなさん気になっているであろう、食感ですが、冒頭紹介した三大蕎麦とは全く異なります。

柔らかさもありつつ、3日間寝かせた効果で、“ぷちっと”つるつる食感なんです。

ただ柔らかい、といういわゆる“麺がスープを吸って伸びてぶよぶよになる”という柔らかいだけのような食感ではありません。

まさかそばに対して“ぷちっと”という表現を使う日が来るとは思ってもいませんでした。

でもこの感覚をシンプルにお伝えすると“ぷちっと”食感が1番近いです。

店内には他にも気になるメニュー

「だし中華」は、いわゆる“まかない“から始まったメニューだとか。スープがそばつゆという、あっさり食べられるラーメンです。「冷しぶっかけトロロそば」も暑い季節は人気だそうです。

 

NHKの「ドキュメント72時間」で紹介された「鹿内そば屋」は夜に梵珠そばを食べられますが、ここ「そば処 義平」では平日お昼に梵珠そばが食べられますよ!

 

お持ち帰り用のパッケージにはお馴染みの創業者のイラスト

 

馴染みのイラストは竹鼻さんのお父さんだそうで、この食券のところに貼ってあるお父さんのイラストに「今日も頑張るよ」と声をかけてから仕事を始めるのが日課だそうです。

健康のため、毎日4時に起きて山へ散歩、山菜採り。最近はその際に採れたアカシアの花を天ぷらにして、サービスでお客さんに振る舞ったそう。

竹鼻さんは、お客さんとの楽しいお話をたくさん教えてくださったのですが、それら全てがお客さんへの優しさで溢れていて、お腹も心もいっぱいに、元気になりました。

 


ここまでこのブログを読んでくれたみなさんに、竹鼻さんに教えていただいた、とっておきの情報をお知らせします🤫

先ほどの創業者(竹鼻さんのお父さん)のイラストがあしらわれた袋麺ですが、とびっきり美味しくなる調理の仕方があるそうです。

このようなタイプの袋麺、袋から出してそのまま茹でてしまうと思うのですが、この「梵珠そば」は、茹でる前に少し袋を開けて、レンジでチン!それから湯煎して、冷たい水でギリっと締めて麺つゆをかけて食べるのが、暑い時期のおすすめの食べ方だそうです。お好みで山菜や長芋と一緒に食べるのもおすすめだそうです。絶対間違いない美味しさですね。。


 

みなさんが食べたとしたら、この「梵珠そば」の食感をなんと表現しますか?

ご家庭でも美味しい「梵珠そば」ですが、ぜひ竹鼻さんが丁寧に美味しく仕上げてくれる、ここ「そば処 義平」で「梵珠そば」を食べてみてくださいね。

店舗情報

そば処 義平
【住所】青森県五所川原市本町63
【電話】0173-34-5566
【営業時間】11:00~15:00
【定休日】土曜日・日曜日

 

byらば

掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。

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