背後に世界遺産の白神山地を抱える、日本海に面した漁師町。
この深浦町で漁業を営む鶴田仁さんと悦子さんご夫妻は、ご自宅を開放して普段の家庭の「漁師ごはん」を振る舞ってくれる(!)という、とってもグッとくるサービスを展開中。
野菜嫌いと魚好きには堪らない食卓(笑)
同じ地域の家庭料理とはいえ、農家と漁師では生業がまったく異なるため、食卓に登場する食材や料理も劇的に異なります。
食卓にズラリ居並ぶのは、季節の魚介のお惣菜。
ヒラメやハタなど白神山地の養分で育った白身魚の刺し身、メバルの煮付け、ふぐの唐揚げ、山のように盛られたサザエのつぼ焼き…など、など、など。
数えればざっと10数種の海の幸がテーブルを埋め尽くします。
海の幸だらけ。
さすがは漁師の家の食卓だけあって、野菜の類がほとんど見受けられないというもの興味深いです。
例えば真冬のとある日の朝ご飯にはこんなおかずが居並びます。
漁師の朝食の定番おかず、イカの刺身に始まって、子持ちカレイの煮付け、“つのまた”と呼ばれる歯ごたえのある海藻の味噌汁に、イカの寿司(イカと野菜をもち米と一緒に発酵させたお漬物です)などなど。
メインを張るのは、夏場なら深浦の海で獲れる本マグロ(ちなみにこのまぐろ、冬になって北上し、津軽海峡で釣り上げられると、あの有名な「大間のまぐろ」として東京・築地にも出荷される血統書付きの美味しさです)。
このヅケが悶絶級の美味しさなのですが、冬場の名物、寒ヒラメのヅケはその上を行くような、行かないような、いや、行くような(笑)。
ヒラメのヅケに脳震盪…(鼻血)
炊きたてのご飯の上にのせ、ヅケ丼にして「いただきます」!
でもってこちらは、とある秋の晩の卓上。
鮟鱇の身を肝と和えた「とも和え」と呼ばれる珍味や、鮮度良好で歯ごたえがコリコリするもずくなどが、お酒のアテとして供されます。
オプションが贅沢すぎる…(泣)
「今朝獲ってきたのがあったので、これも食べて。肝を醤油に溶かしてね」という魅惑的すぎるセリフを添えて登場するカワハギや、「俺が内緒でつまみにしようと思ってたんだけど…」というこれまたソソられまくる枕詞とともに供される真だこなどなど、突然現れる“オプション”のクオリティも高すぎ…。
一升瓶がすぐに転がる…(汗)
そうこうするうちに、仁さんが一升瓶を抱えて登場し、豪快すぎる漁師飲みに発展することもしばしば。
瓶から直接湯呑みにトクトク…。
瞬く間に一升瓶が床に転がる…という状況。津軽の漁師の暮らしぶりにどっぷりと浸かっている自分に気付くはずです。
…こんな体験、してみたかった!
ヅケ茶漬けに悶絶…(涙)
あ。そうそう。
ヒラメのヅケはご飯にのせても美味ならば、お茶漬けにしてもうっとり級の美味しさです。
ぜひお試しを!